4章 バタフリーと密猟団
「いけ、サンドパン!」
出てきたのはサンドパンだ。相性は、普通である。
「サンドパン、エーフィにみだれひっかきだ!」
少年がそう指示をすると、サンドパンは、真正面からエーフィに鋭い爪を向け走って来た。
「エーフィ、サイコキネシス!」
向かい打とうとするが、エーフィはタカナオの指示に従わなかった。サイコキネシスでは、とても相手の攻撃に間に合い、防げそうになかったのだ。エーフィ自らの判断で攻撃を躱すことを選んだ。
「なんだ? 言うこと聞かないな」
これはチャンスだと思ったのか相手の少年はニッと笑った。しかし、油断していたのだろう。すでに、エーフィが技を仕掛けていることに気づいていなかった。タカナオですら、気づいていなかった。
エーフィは隙を狙って、サンドパンに電光石火を食らわせた。サンドパンは吹っ飛ぶ。それを見ると、エーフィはチラッとタカナオを見た。慌ててタカナオは、指示を出す。
「エーフィ、アイアンテールでサンドパンを叩きつけるんだ!」
エーフィは頷き、宙を飛んでいるサンドパンに向かってジャンプをし、サンドパンをアイアンテールで地面に叩きつけた。
別に彼女はタカナオの言うことに背こうとは思っていないらしい。ただ、タカナオが瞬時の判断を間違っていると感じ、自らの意志で動いてしまったのだ。バトル経験が豊富なエーフィに対し、全くバトルの経験がないタカナオ。エーフィが言うことを聞かないのは無理もない。そして、彼女の行った行動は間違っていなかったことは、この結果からわかる。サンドパンは見事に戦闘不能になっていた。
「な……、一瞬で……」
少年は心底驚いた様子である。タカナオも何が起きたのか理解出来ず、呆気にとられた感じだ。
「タカナオ?」
ヒナが話しかける。そこで彼は我に返った。何故だろうか、宙に浮いた感じがする。
「勝ったの?」
「えぇ……。たった今あったことよ? 大丈夫?」
タカナオはヒナの言葉に眉間にシワを寄せた。
――僕が勝ったんじゃない。エーフィが勝ったんだ。
言葉にしようと口を開けるが悔しくて言葉に出来なかった。
道もわかり、ポケモンたちも疲れているだろうと、開けたところで休憩することになった。
「タカナオの様子……どうだ?」
リョウスケがヒナに聞いた。ヒナは、彼を見ると首を横に振った。タカナオは木にもたれ、暗い表情でいた。先程のバトルで落ち込んでしまっていた。
バトルの相手は、新人トレーナーにボロボロにされたことで、「覚えてろよ」と、何ともベタな言葉を残して去っていった。結局のところ少年の名前も聞かずに終わっている。
「……才能、ないのかな……」
タカナオは深くため息をついた。今まで、勉強や野球は才能があると言われ、やりがいを感じてやっていた。しかし今回は、自分こバトルセンスがない事を実感してしまった。しかも、エーフィに指示を聞いてもらえないという否定を味あわされた。
出てきたのはサンドパンだ。相性は、普通である。
「サンドパン、エーフィにみだれひっかきだ!」
少年がそう指示をすると、サンドパンは、真正面からエーフィに鋭い爪を向け走って来た。
「エーフィ、サイコキネシス!」
向かい打とうとするが、エーフィはタカナオの指示に従わなかった。サイコキネシスでは、とても相手の攻撃に間に合い、防げそうになかったのだ。エーフィ自らの判断で攻撃を躱すことを選んだ。
「なんだ? 言うこと聞かないな」
これはチャンスだと思ったのか相手の少年はニッと笑った。しかし、油断していたのだろう。すでに、エーフィが技を仕掛けていることに気づいていなかった。タカナオですら、気づいていなかった。
エーフィは隙を狙って、サンドパンに電光石火を食らわせた。サンドパンは吹っ飛ぶ。それを見ると、エーフィはチラッとタカナオを見た。慌ててタカナオは、指示を出す。
「エーフィ、アイアンテールでサンドパンを叩きつけるんだ!」
エーフィは頷き、宙を飛んでいるサンドパンに向かってジャンプをし、サンドパンをアイアンテールで地面に叩きつけた。
別に彼女はタカナオの言うことに背こうとは思っていないらしい。ただ、タカナオが瞬時の判断を間違っていると感じ、自らの意志で動いてしまったのだ。バトル経験が豊富なエーフィに対し、全くバトルの経験がないタカナオ。エーフィが言うことを聞かないのは無理もない。そして、彼女の行った行動は間違っていなかったことは、この結果からわかる。サンドパンは見事に戦闘不能になっていた。
「な……、一瞬で……」
少年は心底驚いた様子である。タカナオも何が起きたのか理解出来ず、呆気にとられた感じだ。
「タカナオ?」
ヒナが話しかける。そこで彼は我に返った。何故だろうか、宙に浮いた感じがする。
「勝ったの?」
「えぇ……。たった今あったことよ? 大丈夫?」
タカナオはヒナの言葉に眉間にシワを寄せた。
――僕が勝ったんじゃない。エーフィが勝ったんだ。
言葉にしようと口を開けるが悔しくて言葉に出来なかった。
道もわかり、ポケモンたちも疲れているだろうと、開けたところで休憩することになった。
「タカナオの様子……どうだ?」
リョウスケがヒナに聞いた。ヒナは、彼を見ると首を横に振った。タカナオは木にもたれ、暗い表情でいた。先程のバトルで落ち込んでしまっていた。
バトルの相手は、新人トレーナーにボロボロにされたことで、「覚えてろよ」と、何ともベタな言葉を残して去っていった。結局のところ少年の名前も聞かずに終わっている。
「……才能、ないのかな……」
タカナオは深くため息をついた。今まで、勉強や野球は才能があると言われ、やりがいを感じてやっていた。しかし今回は、自分こバトルセンスがない事を実感してしまった。しかも、エーフィに指示を聞いてもらえないという否定を味あわされた。