3章 旅立ちの朝
一方、カルナ率いる組織では、シャイルとマルナの裏切りが判明し、朝から大騒動になっていた。カルナに緊急会議だと緊急招集される。そこには、幹部たちや手練れのトレーナー達がいる。
「カルナ様、シャイルとマルナが……」
「わかっている。どうせこうなるとわかっていた。焦る必要はない」
「しかし……」
焦る部下を前に、カルナは涼しい顔だった。これは予想していたことらしい。
「落ち着け。これでいい」
「どうされるつもりですか?」
不安そうにする部下にカルナは息を吐いた。これから彼女が放つことは命令だ。焦っていた部下も姿勢を整える。
「いいか。もう、リョウスケというガキの両親は捕まえなくていい。リョウスケは見つけ次第連れて来い。ついでに北風使いの弟もな。シャイルを呼び戻すに丁度いい餌だ。北風使いの弟はジンとリンクがなんとかする。先程、すでに指示を出した」
カルナの行動の早さに周りは驚く。ジンは、いよいよ逃げられないことを悟る。
北風使いの弟が狙われているのは人質になるというだけではない。人質だったら、リョウスケだけで十分だ。北風使いの弟を捕まえる理由は、その彼が組織を潰すキーマンになると占い師から言われたからである。
シャイルも勿論それを知っている。だからこそ、いい餌なのだ。
「シャイルとマルナも何処にいるのかは確認しておけ。全てが揃うとき、役に立つからな」
すべてが揃うとき……。何を意味しているのかをわかったジンはごくりと息を飲む。
「はい」
カルナの指示に、幹部達は部屋を出ていった。カルナは誰もいなくなった会議室で椅子を反対方向にくるりと回した。彼女の頭上には『NWG』の文字。
「フフ……。計算通りだな」
カルナはそう呟くと、不適な笑みを浮かべた。
「カルナ様、シャイルとマルナが……」
「わかっている。どうせこうなるとわかっていた。焦る必要はない」
「しかし……」
焦る部下を前に、カルナは涼しい顔だった。これは予想していたことらしい。
「落ち着け。これでいい」
「どうされるつもりですか?」
不安そうにする部下にカルナは息を吐いた。これから彼女が放つことは命令だ。焦っていた部下も姿勢を整える。
「いいか。もう、リョウスケというガキの両親は捕まえなくていい。リョウスケは見つけ次第連れて来い。ついでに北風使いの弟もな。シャイルを呼び戻すに丁度いい餌だ。北風使いの弟はジンとリンクがなんとかする。先程、すでに指示を出した」
カルナの行動の早さに周りは驚く。ジンは、いよいよ逃げられないことを悟る。
北風使いの弟が狙われているのは人質になるというだけではない。人質だったら、リョウスケだけで十分だ。北風使いの弟を捕まえる理由は、その彼が組織を潰すキーマンになると占い師から言われたからである。
シャイルも勿論それを知っている。だからこそ、いい餌なのだ。
「シャイルとマルナも何処にいるのかは確認しておけ。全てが揃うとき、役に立つからな」
すべてが揃うとき……。何を意味しているのかをわかったジンはごくりと息を飲む。
「はい」
カルナの指示に、幹部達は部屋を出ていった。カルナは誰もいなくなった会議室で椅子を反対方向にくるりと回した。彼女の頭上には『NWG』の文字。
「フフ……。計算通りだな」
カルナはそう呟くと、不適な笑みを浮かべた。