3章 旅立ちの朝
「これがポケモン図鑑じゃよ」
「ありがとうございます」
タカナオは、何やら青い機械をオーキド博士からもらった。ポケモンを調べられるポケモン図鑑というものだ。彼は、図鑑を受け取ると、じっと見つめる。
「これって身分証明書だよね?」
「そうだよ。どうしたんだい?」
身分証明書を見て顔をしかめる彼にシゲルが聞いた。
「図鑑を持ってないお姉ちゃんはリーグに挑戦出来るの?」
リーグは身分証明書というものがなくては参加出来ない。今し方、説明を受けたばかりだ。
「身分証明書は、図鑑でなくても良い。君の前の父親さえいれば、身分を証明出来るはずだよ」
「なんで僕のお父さんがいれば身分は証明されるの?」
タカナオにとっては謎だった。父親だって元々は自分の住んでいる世界に住んでいたのだ。身分をどうやって証明するのだろうか。しかし、彼の考えは根本から違った。
「あなたの父親、元々はこの世界の人なのよ」
「はい?」
カスミの言葉に思わず、聞き返した。たしかに、父親がこの世界の人ならば、身分を証明する方法はいくらかある。
「……だから、タカナオのお父さんは、この世界で生まれているの。ようするに君は、この世界の血も流れてる。あと、君の父親はポケモンも持ってるわよ」
ヒナが説明する。イマイチ頭がついていかない。
「お前からミズカさんの記憶を消したのは、前の親父なんだろ? 多分それ、コダックを使ったと思うぜ」
リョウスケが言うと、タカナオは目を見開く。まさかポケモンまで持っているとは思っていなかった。しかし、ミズカがポケモンを持っていたことを考えると、父親が持っていてもおかしくはないが。
「まあ落ちつけって、人間生きてりゃ色んなことがあんだからさ」
「は……はあ……」
落ちつけと言われて簡単に落ち着けるものでもなく、タカナオは頭で整理しようとするが、パンクしそうだった。
「さてと、次はポケモンだな」
サトシが話を変える。オーキド博士は「そうじゃな」と呟くと、モンスターボールを出してきた。
「この中にはゼニガメが入っておる。お前さんのパートナーじゃよ」
「え……、良いんですか?」
オーキド博士の持っているモンスターボールを見つめながら聞いた。
「もちろんじゃ。戦力もつけて欲しいのでな」
博士に苦笑した。バトルを出来るようにならなきゃ、逃げ切れない。向こうは、ポケモンを持っている。タカナオが狙われた理由はポケモンを持っていない、バトルできないところにある。
「ありがとうございます!」
タカナオは嬉しそうに、モンスターボールを受け取ると、早速ゼニガメを出した。水色の亀のようなポケモン、それがゼニガメだ。彼はゼニガメを見ると、
「うわ~、可愛い」
と言って、手を差し伸べた。ゼニガメは不思議そうにタカナオを見る。
「僕、タカナオっていうんだ。これからよろしく」
「ゼニィ!」
ゼニガメはニコッと笑い、彼に抱きついた。
エーフィは、そんな彼らを見て昔を思い出す。
『めちゃめちゃカワイイ!!』
これがミズカの第一声だった。モンスターボールから出され一瞬何かわからなかったが、すぐに自分の事だとわかり、嬉しくなった。
「ありがとうございます」
タカナオは、何やら青い機械をオーキド博士からもらった。ポケモンを調べられるポケモン図鑑というものだ。彼は、図鑑を受け取ると、じっと見つめる。
「これって身分証明書だよね?」
「そうだよ。どうしたんだい?」
身分証明書を見て顔をしかめる彼にシゲルが聞いた。
「図鑑を持ってないお姉ちゃんはリーグに挑戦出来るの?」
リーグは身分証明書というものがなくては参加出来ない。今し方、説明を受けたばかりだ。
「身分証明書は、図鑑でなくても良い。君の前の父親さえいれば、身分を証明出来るはずだよ」
「なんで僕のお父さんがいれば身分は証明されるの?」
タカナオにとっては謎だった。父親だって元々は自分の住んでいる世界に住んでいたのだ。身分をどうやって証明するのだろうか。しかし、彼の考えは根本から違った。
「あなたの父親、元々はこの世界の人なのよ」
「はい?」
カスミの言葉に思わず、聞き返した。たしかに、父親がこの世界の人ならば、身分を証明する方法はいくらかある。
「……だから、タカナオのお父さんは、この世界で生まれているの。ようするに君は、この世界の血も流れてる。あと、君の父親はポケモンも持ってるわよ」
ヒナが説明する。イマイチ頭がついていかない。
「お前からミズカさんの記憶を消したのは、前の親父なんだろ? 多分それ、コダックを使ったと思うぜ」
リョウスケが言うと、タカナオは目を見開く。まさかポケモンまで持っているとは思っていなかった。しかし、ミズカがポケモンを持っていたことを考えると、父親が持っていてもおかしくはないが。
「まあ落ちつけって、人間生きてりゃ色んなことがあんだからさ」
「は……はあ……」
落ちつけと言われて簡単に落ち着けるものでもなく、タカナオは頭で整理しようとするが、パンクしそうだった。
「さてと、次はポケモンだな」
サトシが話を変える。オーキド博士は「そうじゃな」と呟くと、モンスターボールを出してきた。
「この中にはゼニガメが入っておる。お前さんのパートナーじゃよ」
「え……、良いんですか?」
オーキド博士の持っているモンスターボールを見つめながら聞いた。
「もちろんじゃ。戦力もつけて欲しいのでな」
博士に苦笑した。バトルを出来るようにならなきゃ、逃げ切れない。向こうは、ポケモンを持っている。タカナオが狙われた理由はポケモンを持っていない、バトルできないところにある。
「ありがとうございます!」
タカナオは嬉しそうに、モンスターボールを受け取ると、早速ゼニガメを出した。水色の亀のようなポケモン、それがゼニガメだ。彼はゼニガメを見ると、
「うわ~、可愛い」
と言って、手を差し伸べた。ゼニガメは不思議そうにタカナオを見る。
「僕、タカナオっていうんだ。これからよろしく」
「ゼニィ!」
ゼニガメはニコッと笑い、彼に抱きついた。
エーフィは、そんな彼らを見て昔を思い出す。
『めちゃめちゃカワイイ!!』
これがミズカの第一声だった。モンスターボールから出され一瞬何かわからなかったが、すぐに自分の事だとわかり、嬉しくなった。