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2章 姉

「翌日、同じ日付で朝を迎えた。全てが同じで、変わっていたのはお姉ちゃんの学校の行き方と、友達を連れて来なかったこと。それ以外は全て、機械のように同じ繰り返しだった。あれ、現実だったんだね」

タカナオは知りたかった。

姉が連れてきた友達3人は、遊びに来た雰囲気では決してなかった。姉も含めて深刻そうだった。暗い顔。湿った空気。彼らをそんなふうにさせた原因は何なのか。

「……あぁ、そうだよ」

シゲルがため息混じりに言った。

「俺達は、昔、ミズカと旅をしたことがあるんだ。タカナオの世界の時間で二年前まで、ミズカはこの世界に来てた」
「どうして?」
「ごめん。今は話せない」

サトシの説明に、タカナオは顔をしかめた。拳を握るサトシが、あのときのサトシと被る。一番深刻そうだったのはサトシだった。

「もしかしたら、知らなくても良い事実まで知っちゃうかもしれない。それでも、ちゃんと受け止めて前に進めるか?」

サトシは、タカナオの左肩に手を乗せた。真剣な表情でタカナオを見る。彼は、少し考えるがやがて深く頷いた。

「おし! じゃあ決まりな!」

後ろでリョウスケがタカナオの背中をポンと叩いた。

「痛いよ」

振り向いて、ムッとした表情でリョウスケに言う。しかし、彼のおかげで緊張が一気に解けた。

「タカナオ」

カスミは、タカナオを呼ぶと、ある物を手渡した。それは水色で雫の形をしている綺麗なバッジだった。

「あ……これ……」

アニメやゲームで見たことがある。カントー地方にあるハナダシティのハナダジム、リーグ公式バッジだ。これを八つ集めたらリーグに出場出来るというものだ。

今も続けているのであれば、カスミはハナダジムのジムリーダー。バッジを持っているのは当然だが、何故自分に渡したのかと、タカナオは不思議に思った。

「あの子ね、昔からリーグに出てみたいって言っていたの。だから、もしかしたらジムを回っているかもしれないのよ」

タカナオは、一度ブルーバッジを見つめる。つまり、彼女は、ジムへ挑戦しろと言いたいのだ。

「前にお姉ちゃんが来ていた時はリーグに出なかったの?」
「えぇ、ちょっとした事情でね」

カスミは、少し寂しそうに笑った。

「だから、これは一つ目のバッジとして持っておいて」
「カスミ……。……わかった、バッジも集めるよ!」

タカナオは、その話に乗った。彼は一度、やってみたいと思ったのだ。

「じゃあ決まりね!」

ヒナがニコッと笑い、タカナオに言う。彼もニコッと笑い返した。これから、何が起こるかわからない。タカナオの未知なる冒険が始まろうとしていた。

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