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2章 姉

その頃、タカナオと少年は、

「ここは?」
「わりぃ、落ちるぞ」

空の上だった。急激な速さで落ちていく。タカナオは思わず目を瞑った。隣の少年は呑気に欠伸なんかしている。

「リザードン、あの二人を助けて」

下から聞こえた少女の声と共に地面へ落ちていく感覚はなくなった。恐る恐る目を開けると、オレンジ色の龍のようなポケモン、リザードンが二人を乗せて飛んでいる。

「凄い……」
「サンキュー、リザードン」

リザードンは呑気な少年にため息をつきながら地面へ降りた。そして、二人はリザードンから降りる。目の前には、さっきリザードンに指示を出したであろう少女が呆れた表情で立っていた。

少女は金髪のロングヘア。薄ピンク色のワイシャツに赤いハートのネックレスをしていた。

「わりぃな、ヒナ。ありがとよ」
「どうして空に出るのよ。まあ、想定内ではあったけど……」

少女、ヒナはため息をつき、リザードンをモンスターボールへ戻した。当たりは明るいが、木々が並ぶ。森の中のようだった。

さて、ここはどこなのか。タカナオはさっきまで帰路にいたはず。ドアの光を通って、この場所に通っている。とすると、ここはもしかすると……。タカナオは混乱しつつも、少し冷静になっていた。

「ほら、オーキド研究所へ行くわよ」
「あぁ」
「あの……さ、まだ名前……聞いてない……」

どんどん先に話を進める二人の間に恐る恐るタカナオは入った。オーキド研究所というワードより先にそもそも誰なのかを問う。

オーキドという言葉も気にはなったが、二人がポケモンを持っていることから、おおよそ自分の思っている通りだと考える。

「……もしかして、名前も説明もしてないんじゃ……」

それにピンと来たのか、ヒナは少年に聞く。

「しゃーねぇだろ。時間がなかったんだから。向こうに襲われちゃ、バトルで手一杯」
「名前くらい教えときなさいよ……」

怒ったような、呆れたような表情でヒナは言った。少年は苦笑して頭を掻く。そして、タカナオに向き直った。

「俺は、リョウスケ! タカナオ、宜しくな」
「あぁ……、え?」

タカナオは聞き返した。彼は名乗っていない。つまり二人は知るはずないのだ。それがリョウスケという少年は、さらっと自分の名前を呼んでしまった。当然驚くに決まっている。

それはヒナも同じだった。

「なぜリョウスケが知ってるの?」

ヒナにツッコまれ、リョウスケは苦笑いを浮かべる。

「あ、悪い。向こうの連中は名前知ってるみたいで、さっきタカナオって呼んでたのを聞いたんだよ」

驚かすような発言をしたと気づき、リョウスケは謝る。タカナオは首を傾げる。少女から名前を呼ばれたときに、彼はいただろうかと。どこかに隠れていたのかもしれないが、少し腑に落ちなかった。
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