1章 北風使いの生まれ変わり
「……わかった。頼む」
サトシは頷いた。今はニャースの手も借りたいくらいだ。それがリーグ優勝経験者が手伝ってくれるというのだから、お願いしない手はない。
リョウスケはオーキドから手鏡を受け取った。
「時空間について説明を聞いてからにして良いですか」
「そうじゃな」
「じゃあ、俺、ミズカがこの世界に来たところをちょっと見てくる。博士、場所教えてください。カイリューで飛んで帰ってきます」
さすがの行動力だと、カスミとシゲルは苦笑した。たしかに、探すとすればまずはミズカがこの世界に飛ばされた場所。それはカスミもシゲルも思っていた。
サトシはサラッとオーキドから場所を聞くと、ピカチュウとエーフィを連れてそそくさと出て行った。
「……サトシさん、北風使いの生まれ変わりと知り合いなんすか?」
リョウスケが聞くと、カスミはキョトンとした。そういえば、リョウスケは何も知らない。
「昔、ミズカとは一緒に旅をしていたのよ。ついさっきミズカのことを思い出したんだけど、仲良かったから居ても立っても居られないみたい」
「ミズカに記憶があれば、向こうから来てくれたかもしれないけどね」
リョウスケは顔を歪める。拳を握る。
「リョウスケが深刻な顔をする必要はないでしょ」
「あ、……はい。でも昔の仲間なら、やっぱ会いたいっすよね……」
「会いたいわよ。だから探すの。絶対に無茶やってるに決まってるもの」
カスミの言葉にリョウスケは答えられなかった。
リョウスケには秘密がある。ここに来たことは偶々ではない。自分の知っていることは、今話せない。後ろめたい気持ちでいっぱいだ。
「オーキド博士、話を聞かせてください」
リョウスケはカスミから目を逸らし、オーキドに話を聞くことにした。
サトシは頷いた。今はニャースの手も借りたいくらいだ。それがリーグ優勝経験者が手伝ってくれるというのだから、お願いしない手はない。
リョウスケはオーキドから手鏡を受け取った。
「時空間について説明を聞いてからにして良いですか」
「そうじゃな」
「じゃあ、俺、ミズカがこの世界に来たところをちょっと見てくる。博士、場所教えてください。カイリューで飛んで帰ってきます」
さすがの行動力だと、カスミとシゲルは苦笑した。たしかに、探すとすればまずはミズカがこの世界に飛ばされた場所。それはカスミもシゲルも思っていた。
サトシはサラッとオーキドから場所を聞くと、ピカチュウとエーフィを連れてそそくさと出て行った。
「……サトシさん、北風使いの生まれ変わりと知り合いなんすか?」
リョウスケが聞くと、カスミはキョトンとした。そういえば、リョウスケは何も知らない。
「昔、ミズカとは一緒に旅をしていたのよ。ついさっきミズカのことを思い出したんだけど、仲良かったから居ても立っても居られないみたい」
「ミズカに記憶があれば、向こうから来てくれたかもしれないけどね」
リョウスケは顔を歪める。拳を握る。
「リョウスケが深刻な顔をする必要はないでしょ」
「あ、……はい。でも昔の仲間なら、やっぱ会いたいっすよね……」
「会いたいわよ。だから探すの。絶対に無茶やってるに決まってるもの」
カスミの言葉にリョウスケは答えられなかった。
リョウスケには秘密がある。ここに来たことは偶々ではない。自分の知っていることは、今話せない。後ろめたい気持ちでいっぱいだ。
「オーキド博士、話を聞かせてください」
リョウスケはカスミから目を逸らし、オーキドに話を聞くことにした。