9章 悲しき現実と蘇る記憶
「やっぱり、戻る!」
その頃タカナオは、もと来た道を走っていた。
「ダメよ。この間も言ったでしょ。君が行ったら大変なことになるのよ」
「後はお姉ちゃん達に任せようよ。あの四人、強いから大丈夫だって」
追いかけながら、ヒナとマサトが言う。ヒナが腕を掴むが振り払われた。
「強いとか関係ないんだ。大事なのは助けたいかどうかじゃないか」
「それだけで済むなら良いわよ。でも……、タカナオは世界を背負ってるのと同じなのよ」
「どうせ、三人でいたって敵が追ってきて同じことになる。違う?」
タカナオの言葉に二人は顔を見合わせた。たしかにそうだ。と、納得してしまったのだ。
「でも……」
「……リョウスケは僕の友人だよ」
マサトの反論を遮ってタカナオがハッキリと言う。マサトは思わず頷いてしまった。いつもライバルだが、ライバルだからこそ心配だった。ヒナも友人としてリョウスケを助けたい。
タカナオはニッと笑うと、スピードを上げた。
「くっ……」
「どうした。お前らの力はそんなものか」
戻って来ると、傷つき、地面に倒れたカスミ、ハルカ、ヒカリ、そしてタケシがいた。こんなにも大きく力の差があるのかと、驚いて声にもならない。
カルナの隣では意識の朦朧としたリョウスケが力なく座っていた。何も出来ず、その表情は悔しそうだ。
「冗談じゃないわよ。あんたさえいなければ、ミズカだって、タカナオだって、この場にいる全員辛い思いしないで済んだんだから……!」
やっとの思いで起き上がったのはカスミだった。歯を食い縛り、立ち上がる。それを見て三人は顔を見合わせた。そして、それぞれ倒れているままの三人の場所へ行く。
「あ、あんた達、何やってるのよ」
驚いた表情でカスミが三人を見た。
「ほう……。わざわざ戻って来るとは、仲間思いのとんだバカだな」
フッと笑うとカルナはカイリューを出した。そしてすぐさま破壊光線を指示する。カスミ達のポケモンはすでにボロボロで技を出せない。今の内に次のポケモンを出すのは不可能だ。ただ、溜まって放たれる光を見ているしかなかった。
「チルタリス、電光石火!」
「チル!」
その時だった。後ろから声がし、上空でチルタリスが電光石火でカイリューに突っ込んでいく。
「そのままゴッドバード!」
「チルチル!」
破壊光線が放たれるのと同時だった。青白い光とオレンジの光がぶつかり、爆発音を立てた。煙が凄くて前が見えない。目を凝らしてよく見ようとするタカナオの前を誰かが通った。
まさかと思ったが、昼食の前のヒカリの言葉を思い出す。
『昔ね。チルタリスに、二、三日でゴッドバードを覚えさせたのよ』
まさか。再度、そう思った。煙が引いて視界がよくなる。横切った人の正体に思わず目を擦らずにはいられなかった。カスミは、せっかく立ったのにも関わらず、力が抜けてしまい。地べたに座り込む。
「なんとか間に合ったみたいだな」
「みたいだね」
後ろから、サトシとシゲルの声もした。振り向くとポケモン世界に行く前に出会った金髪の少女……マルナもいた。タカナオは首を傾げる。今、マルナがヒナをちらりと見た気がする。
「さ、さすがかも」
ハルカが力なく笑う。今の状況が信じられないのだ。ずっと会いたかった仲間が、まさか助けに現れるなど誰が考えただろう。
「さぁ、リョウスケを離してもらおうか」
そこには、紛れもない北風使いの姿があった。たとえ、服装や身長、髪の長さが変わろうとも一発でわかる。彼女だ。ミズカだ。
その頃タカナオは、もと来た道を走っていた。
「ダメよ。この間も言ったでしょ。君が行ったら大変なことになるのよ」
「後はお姉ちゃん達に任せようよ。あの四人、強いから大丈夫だって」
追いかけながら、ヒナとマサトが言う。ヒナが腕を掴むが振り払われた。
「強いとか関係ないんだ。大事なのは助けたいかどうかじゃないか」
「それだけで済むなら良いわよ。でも……、タカナオは世界を背負ってるのと同じなのよ」
「どうせ、三人でいたって敵が追ってきて同じことになる。違う?」
タカナオの言葉に二人は顔を見合わせた。たしかにそうだ。と、納得してしまったのだ。
「でも……」
「……リョウスケは僕の友人だよ」
マサトの反論を遮ってタカナオがハッキリと言う。マサトは思わず頷いてしまった。いつもライバルだが、ライバルだからこそ心配だった。ヒナも友人としてリョウスケを助けたい。
タカナオはニッと笑うと、スピードを上げた。
「くっ……」
「どうした。お前らの力はそんなものか」
戻って来ると、傷つき、地面に倒れたカスミ、ハルカ、ヒカリ、そしてタケシがいた。こんなにも大きく力の差があるのかと、驚いて声にもならない。
カルナの隣では意識の朦朧としたリョウスケが力なく座っていた。何も出来ず、その表情は悔しそうだ。
「冗談じゃないわよ。あんたさえいなければ、ミズカだって、タカナオだって、この場にいる全員辛い思いしないで済んだんだから……!」
やっとの思いで起き上がったのはカスミだった。歯を食い縛り、立ち上がる。それを見て三人は顔を見合わせた。そして、それぞれ倒れているままの三人の場所へ行く。
「あ、あんた達、何やってるのよ」
驚いた表情でカスミが三人を見た。
「ほう……。わざわざ戻って来るとは、仲間思いのとんだバカだな」
フッと笑うとカルナはカイリューを出した。そしてすぐさま破壊光線を指示する。カスミ達のポケモンはすでにボロボロで技を出せない。今の内に次のポケモンを出すのは不可能だ。ただ、溜まって放たれる光を見ているしかなかった。
「チルタリス、電光石火!」
「チル!」
その時だった。後ろから声がし、上空でチルタリスが電光石火でカイリューに突っ込んでいく。
「そのままゴッドバード!」
「チルチル!」
破壊光線が放たれるのと同時だった。青白い光とオレンジの光がぶつかり、爆発音を立てた。煙が凄くて前が見えない。目を凝らしてよく見ようとするタカナオの前を誰かが通った。
まさかと思ったが、昼食の前のヒカリの言葉を思い出す。
『昔ね。チルタリスに、二、三日でゴッドバードを覚えさせたのよ』
まさか。再度、そう思った。煙が引いて視界がよくなる。横切った人の正体に思わず目を擦らずにはいられなかった。カスミは、せっかく立ったのにも関わらず、力が抜けてしまい。地べたに座り込む。
「なんとか間に合ったみたいだな」
「みたいだね」
後ろから、サトシとシゲルの声もした。振り向くとポケモン世界に行く前に出会った金髪の少女……マルナもいた。タカナオは首を傾げる。今、マルナがヒナをちらりと見た気がする。
「さ、さすがかも」
ハルカが力なく笑う。今の状況が信じられないのだ。ずっと会いたかった仲間が、まさか助けに現れるなど誰が考えただろう。
「さぁ、リョウスケを離してもらおうか」
そこには、紛れもない北風使いの姿があった。たとえ、服装や身長、髪の長さが変わろうとも一発でわかる。彼女だ。ミズカだ。
