8章 交差
「頑張れ!」
そうは言ったものの、彼は十分頑張っている。むしろ、ラグラージ相手に少ししか圧されていないことに驚いている。しかし、その内にゼニガメのスタミナは切れ、吹っ飛ばされ宙に浮いた。
「アームハンマーだ!」
ラグラージは、勢いをつけてゼニガメに迫り技を出そうとした。
「ゼニガメ、アクアテールだ」
攻撃を喰らいそうになる直前にゼニガメはアクアテールで、アームハンマーを凌ごうとしたが、ダメージを半減しただけで地面に叩きつけられた。
「ゼ……ニ……」
ゆっくりと起き上がる。アクアテールがなければ、戦闘不能になっていただろう。ゼニガメはなんとか持ちこたえている。
「ラグラージ、止めだ。突進!」
「ゼニガメ、水鉄砲!」
突進して来るラグラージに、水鉄砲をする。この状態ではゼニガメは躱せない。威力は弱くなっても少しでもダメージを押さえられればと思い、水鉄砲にした。しかし、実際は逆だった。水鉄砲の威力は落ちていない。むしろ、上がっている。
「ゼニガメの特性、激流ね」
ヒカリが言うと、カスミは頷いた。
「ピンチの時に発動する激流……。マサトは頭に入れてなかったみたいだわ」
「えぇ、ラグラージは突進を防がれたかも」
その通りだった。ゼニガメの特性、激流が発動するとは、マサトもそうだが、タカナオも思っていなかった。今まで、激流が発動されたことはなかったのだ。しかし、これでチャンスが出来た。ラグラージの動きが止まった瞬間に、今まで使っていなかった技、ロケットずつきを指示した。スピードは思ったより速く、ラグラージは初めて吹っ飛ばされる。
「続いて……」
「ゼニ!」
タカナオが次の指示を出そうとするとゼニガメが止めた。
「どうしたの?」
そう聞くと、ゼニガメは返事をせず、ラグラージがいる方向とは違う所へ水鉄砲を発射した。驚いて、その先を見ると赤い髪のロングヘアーの女性が出てきた。その後ろから、何人もの人が出てくる。
「せっかく、バトルが終わったらにしようと思ったのだが残念だ」
女性が口を開いた。ニヤッと笑った彼女に、タカナオは、まさかと、リョウスケを見る。彼は、タカナオの視線に気がつくと、黙って頷いた。エーフィがズボンの裾を引っ張る。
「フィ」
「あ、そうだね。ゼニガメ、ありがとう。後は休んで」
エーフィに言われ、ハッとし、ゼニガメをモンスターボールに戻した。マサトもラグラージをモンスターボールに戻し、こちらへ寄ってくる。
「どうやら、来ちゃったみたいだね」
「うん。しかもボスだよ。あれ」
嫌なタイミングだった。したっぱや幹部ならまだしも、ボスが直々に来るとは思っていなかった。しかし、リョウスケの言っていたNWGのボスの容姿と赤いロングヘアーの女性はピッタリ合っている。間違いなく、NWGのボス、カルナだ。タカナオは、額に嫌な汗を感じた。
そうは言ったものの、彼は十分頑張っている。むしろ、ラグラージ相手に少ししか圧されていないことに驚いている。しかし、その内にゼニガメのスタミナは切れ、吹っ飛ばされ宙に浮いた。
「アームハンマーだ!」
ラグラージは、勢いをつけてゼニガメに迫り技を出そうとした。
「ゼニガメ、アクアテールだ」
攻撃を喰らいそうになる直前にゼニガメはアクアテールで、アームハンマーを凌ごうとしたが、ダメージを半減しただけで地面に叩きつけられた。
「ゼ……ニ……」
ゆっくりと起き上がる。アクアテールがなければ、戦闘不能になっていただろう。ゼニガメはなんとか持ちこたえている。
「ラグラージ、止めだ。突進!」
「ゼニガメ、水鉄砲!」
突進して来るラグラージに、水鉄砲をする。この状態ではゼニガメは躱せない。威力は弱くなっても少しでもダメージを押さえられればと思い、水鉄砲にした。しかし、実際は逆だった。水鉄砲の威力は落ちていない。むしろ、上がっている。
「ゼニガメの特性、激流ね」
ヒカリが言うと、カスミは頷いた。
「ピンチの時に発動する激流……。マサトは頭に入れてなかったみたいだわ」
「えぇ、ラグラージは突進を防がれたかも」
その通りだった。ゼニガメの特性、激流が発動するとは、マサトもそうだが、タカナオも思っていなかった。今まで、激流が発動されたことはなかったのだ。しかし、これでチャンスが出来た。ラグラージの動きが止まった瞬間に、今まで使っていなかった技、ロケットずつきを指示した。スピードは思ったより速く、ラグラージは初めて吹っ飛ばされる。
「続いて……」
「ゼニ!」
タカナオが次の指示を出そうとするとゼニガメが止めた。
「どうしたの?」
そう聞くと、ゼニガメは返事をせず、ラグラージがいる方向とは違う所へ水鉄砲を発射した。驚いて、その先を見ると赤い髪のロングヘアーの女性が出てきた。その後ろから、何人もの人が出てくる。
「せっかく、バトルが終わったらにしようと思ったのだが残念だ」
女性が口を開いた。ニヤッと笑った彼女に、タカナオは、まさかと、リョウスケを見る。彼は、タカナオの視線に気がつくと、黙って頷いた。エーフィがズボンの裾を引っ張る。
「フィ」
「あ、そうだね。ゼニガメ、ありがとう。後は休んで」
エーフィに言われ、ハッとし、ゼニガメをモンスターボールに戻した。マサトもラグラージをモンスターボールに戻し、こちらへ寄ってくる。
「どうやら、来ちゃったみたいだね」
「うん。しかもボスだよ。あれ」
嫌なタイミングだった。したっぱや幹部ならまだしも、ボスが直々に来るとは思っていなかった。しかし、リョウスケの言っていたNWGのボスの容姿と赤いロングヘアーの女性はピッタリ合っている。間違いなく、NWGのボス、カルナだ。タカナオは、額に嫌な汗を感じた。