ミズカとカスミの絆が深まった次の日、

「腹へった～」
「あたしも……、もう一歩も動けない」

ミズカとサトシはお腹が減っていた。二人して、だらけて座っている。

「まったく、もうちょっとシャキっとしなさいよ！」
「無理……」

カスミの呆れ声に、二人は同時に言う。カスミは二人を見てため息をついた。カスミは諦めたのか、昼食を作っているタケシを手伝いに行った。
そんなだらけてる二人の前に、突然ガッチリとした体格の人と、変わった髪形をしている人、二人が現れた。
ミズカにはこの二人に見覚えがある。バッと垂れていた身体を起こす。

――たしか……、ロケット団、ブソンとバショウ……？

ミズカが観ていたライコウ伝説という、スペシャルアニメで見たロケット団だった。ガッチリした体格の短髪金髪がブソン、変わった髪形をしている長髪銀髪がバショウである。

「なんだ？」

サトシは立ち上がる。ミズカもそれに続いて立ち上がった。

「ロケット団のブソンとバショウ」

ミズカはサトシに説明する。

「ロケット団？」

サトシが聞き返すとミズカは頷いた。

「お前、俺達を知ってるのか」
「まあ、良いでしょう。ブソン、このピチューはどうです？」

ミズカの話には然程興味を示さず、ピチューを指してバショウが言った。ピチューは引きつった表情だ。ブソンはすばやくミズカのピチューを取り上げた。

「ピチュ……」
「ちょっと何するのよ！」
「コイツは違うな」

ピチューのお尻を見たかと思うと、ブソンは乱暴にピチューをミズカに投げつけた。ミズカはピチューをキャッチしたが、思ってた以上にブソンの力が強かったためミズカは軽くバランスを崩した。

タケシとカスミも異様な様子に昼食を準備する手を止めた。下手に動くのは危険だと判断し、とりあえずは見守る。

「もう良い用は済んだ」
「どういう事？」
「研究材料のピチューが逃げただけです」

研究材料と聞いて、ミズカもサトシも目を見開く。