8章 気持ちの正体
ミズカはリキヤにコントローラーを渡す。リキヤは「ん」と受け取ると、ミズカと場所を交代した。それを見て諦めたのか、ようやくサキコもカナタにコントローラーを渡す。リキヤとカナタはゲームの世界へと入っていった。
サキコは、二人を他所にミズカの服を引っ張る。バトルを観ようとしたミズカは首を傾げた。
「うちのハムスター見る?」
「見たい!」
ポケモンバトルに興味のなくなったサキコはハムスターに興味が移る。ミズカはバトルが気になったが、頷いて、ハムスターを見せてもらうことにした。
「こっちがネネ。こっちが太郎」
「太郎くんは初めましてだよね?」
「うん。ネネの子孫を残すために、太郎を連れてきたんだ」
子孫……。ミズカにはまだ子孫のことはわからない。こないだサトシが育て屋からもらった卵を思い出す。生まれて出てきたのはゴマゾウ。ミズカもすでに会っていた。水色の小柄な身体はとても可愛かった。
しかし、生まれた瞬間は生では見たことがない。こんな小さな体からどんな小さな動物が出てくるのだろうかとミズカは訝しげになった。
「すごいよねー。これでも相性の良し悪しあるんだって」
「へぇ」
「それって好き合うかどうかってことでしょー?」
「そうだね」
好き合う。なるほど、ポケモンゲームの育て屋も、相性が良いと卵を見つけてくるが、そうでないときは卵を見つけてこない。好き合うというのはよくわからないが、確かに一緒にいるなら居心地のよい相手だろうな、と漠然と考える。
「そういえば、ミズカちゃんって好きな人いるの?」
「へ?」
「いないのかなーって」
ミズカはコテっと首を傾げた。
「恋ってよくわからない」
そういうと、サキコは少し大人ぶりながら、漫画を出してきて、ミズカに渡した。
「ミズカちゃん。ポケモンばかりしてないで、恋愛を知らなきゃ」
「知らないわけじゃないよ? 誰が誰を好きかもわかったりするし。でも、あたしはまだそういうのないかなぁ」
「ほら。じゃあ、勉強! これ貸してあげるからちゃんと全巻読んでね」
サキコは渡した漫画を指差す。
「えー、ポケモンやりたい」
ミズカが声を上げると、バトルしてるはずのリキヤが吹き出す。リキヤとは幼稚園のときからの仲だ。よく互いを知っている上、母親同士が仲いいので、運動会なども一緒にご飯を食べている。
サキコは、二人を他所にミズカの服を引っ張る。バトルを観ようとしたミズカは首を傾げた。
「うちのハムスター見る?」
「見たい!」
ポケモンバトルに興味のなくなったサキコはハムスターに興味が移る。ミズカはバトルが気になったが、頷いて、ハムスターを見せてもらうことにした。
「こっちがネネ。こっちが太郎」
「太郎くんは初めましてだよね?」
「うん。ネネの子孫を残すために、太郎を連れてきたんだ」
子孫……。ミズカにはまだ子孫のことはわからない。こないだサトシが育て屋からもらった卵を思い出す。生まれて出てきたのはゴマゾウ。ミズカもすでに会っていた。水色の小柄な身体はとても可愛かった。
しかし、生まれた瞬間は生では見たことがない。こんな小さな体からどんな小さな動物が出てくるのだろうかとミズカは訝しげになった。
「すごいよねー。これでも相性の良し悪しあるんだって」
「へぇ」
「それって好き合うかどうかってことでしょー?」
「そうだね」
好き合う。なるほど、ポケモンゲームの育て屋も、相性が良いと卵を見つけてくるが、そうでないときは卵を見つけてこない。好き合うというのはよくわからないが、確かに一緒にいるなら居心地のよい相手だろうな、と漠然と考える。
「そういえば、ミズカちゃんって好きな人いるの?」
「へ?」
「いないのかなーって」
ミズカはコテっと首を傾げた。
「恋ってよくわからない」
そういうと、サキコは少し大人ぶりながら、漫画を出してきて、ミズカに渡した。
「ミズカちゃん。ポケモンばかりしてないで、恋愛を知らなきゃ」
「知らないわけじゃないよ? 誰が誰を好きかもわかったりするし。でも、あたしはまだそういうのないかなぁ」
「ほら。じゃあ、勉強! これ貸してあげるからちゃんと全巻読んでね」
サキコは渡した漫画を指差す。
「えー、ポケモンやりたい」
ミズカが声を上げると、バトルしてるはずのリキヤが吹き出す。リキヤとは幼稚園のときからの仲だ。よく互いを知っている上、母親同士が仲いいので、運動会なども一緒にご飯を食べている。