6章 イーブイ進化

ミズカはサトシ達と別れを告げ、もとの世界へ戻ってきた。寝室はいつもドアを開けっ放しにしている。すぐそこに階段があるのだが、階段の向こうから物音が聞こえた。

ちょうど父が帰ってきたらしい。たまに早くに帰ってくることがある。今日はその日だったらしい。早めに帰ってきて正解だった。

ミズカは急いで、自分のタンスに手鏡を押し込んだ。タカナオが起きるかとも思ったが、スースー寝息を立てている。そこばかりに目が行っていて、父親が階段を上がってきていることに気がつかなかった。

「なんだ。起きていたのか」

父親、ノリタカに言われ、ミズカは苦笑した。手には汗が握られている。

「目が覚めちゃって……」

今起きたことにしてしまおう。ミズカがそういうと、ノリタカは何か言おうと口を開いたがとどまった。

「……そうか。早く寝なさい」
「はーい」

布団に入る。なんとか誤魔化せたようで、ミズカはノリタカにバレないように小さく安堵した。

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