6章 イーブイ進化

「ニャー! 進化したニャ……!!」
「進化しても変わんないわよ! アーボック、巻きつく!」
「シャー!」
「フィー!!」

エーフィは巻きつかれる前に、攻撃を繰りだした。アーボックの体が持ち上がる。

「これって……」
「念力だな!」

サトシとタケシが興奮しながら言う。

「フィー!!」

エーフィはアーボックを地面に叩きつけた。イーブイのときから速かったスピードは更に増し、アーボックが立て直す前に、スピードスターで止めを刺した。アーボックはあっという間に倒れた。

「戻れアーボック! こうなったら、コジロウがやりなさいよ!」
「了解!」

そう言って、コジロウはミズカの口をうっかり開放してしまった。エーフィは隙をついて、ミズカの縄を念力でほどいた。ミズカは自由になり、エーフィのもとへ行く。

「エーフィ。ありがと!」
「フィ!」
「ちょっと、コジロウ! 何やってんのよ!」
「ごめんごめん……」

ムサシに怒られ、コジロウは平謝りした。そんなロケット団の姿を見ながら、ミズカは手をボキボキと鳴らす。

「そんじゃ、お返しといきますか……!」

ミズカはかなり怒っていた。

「エーフィ! フルパワーでスピードスター!!」
「フィフィ!!」

完全に油断をしていたロケット団はスピードスターにふっ飛ばされる。そして、気球にぶつかって「やな感じー」と言いながら飛んでった。

「やった!」
「フィ!」

ミズカとエーフィは飛び上がる。

「エーフィ! すごいじゃない!」

カスミが話しかけてきた。エーフィは誇らしげにしている。

「実はあたしが憧れてたポケモンなんだ!」

ミズカはそう言いながら、エーフィに抱きつく。実はミズカ、ゲームでもイーブイを育てたときにエーフィに進化させていた。そもそもゲームもイーブイを育てたのは、こちらの世界の影響。ミズカのゲームパーティにはエーフィとチコリータ、ピチューがいる。

もちろん、イーブイが進化を望んだときには、何に進化しても良かったが。

「へえ、よかったじゃない!」
「うん!」

カスミに言われて大きく頷く。エーフィとミズカは顔を見合わせ、そして笑い合った。暗い森も今は二人にとって明るい道に思えたのだった。

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