6章 イーブイ進化

「放してよ! あんた達の狙いはサトシのピカチュウでしょ!?」
「そう我らの狙いはピカチュウ……」
「だから、あんたを利用させてもらうわよ」

そう言って、ロケット団は用意してあった気球に乗り込む。もちろんミズカも乗せられる。

「マタドガス! えんまくだ!」
「マータドガース!」

マタドガスは煙幕を出した。暗い森は尚更暗くなる。煙幕が引いた頃にはもうミズカとロケット団の姿はなかった。

「ブイブー!!」

イーブイはミズカを呼ぶ。しかし、ミズカからの返事はない。気球で逃げられた。イーブイは状況を把握すると、耳を下げて、落ち込む。自分が強ければ、たとえば、何かを自由に操る力があれば、ミズカを助けられたのに。

「大丈夫よ。イーブイ」

カスミは、イーブイに声をかける。

「でも、どこ行ったんだ? あいつら……」
「奴らの狙いはピカチュウだろうからな。きっと遠くへは行ってないはずだ」
「よし、ヨルノズク! 君に決めた!」

サトシはヨルノズクを出した。タケシの言う通りだ。先程、ピカチュウが狙いだと言っていた。ならば、サトシが見つけられる位置にいるはずだ。

「ヨルノズク。ロケット団の気球を探してくれ!」
「ホー!」

ヨルノズクは飛んでいった。

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