6章 イーブイ進化
「タケシ……、本当にこの道であってるのか?」
「のはずなんだが……」
「また、迷ったわけ? しかも、この暗い森で……」
昼間も暗く、多くのトレーナーが怖がりながら進むと言われる森でサトシ達は迷っていた。怖がりのカスミは震えている。
「カスミは怖がりだなぁ」
「だってこの森、寒いじゃない! あんただって何か出たら――」
「おーい!」
なんの気配もない森。ポケモンすら見かけない。そんなところで、後ろから誰かに呼ばれる三人……。三人の動きは止まった。流石にサトシもタケシも引きつりながら顔を見合わせる。
「おーい!」
その声はどんどん近づいてきた。二度目の呼び声で、サトシもタケシも声の持ち主がわかった。カスミに関しては動きが止まったままである。その声の持ち主はカスミの肩に手を置いて、
「カスミ!」
おそらくカスミを呼んだのはわざとだろう。カスミは「きゃー!」と声を上げその場に座り込んでしまった。トゲピーは楽しそうにしている。
「カスミ……、大丈夫だって!」
サトシが笑いながら言った。カスミは恐る恐る顔を上げた。すると、すぐに笑顔になった。
「なーんだ! ミズカじゃない!」
そう。声の主はミズカだった。隣にイーブイもいる。
「幽霊の方が良かった?」
「ごめんごめん……。だって、この森すごく暗いんだもの……」
カスミは、そう言いながら立ち上がった。ミズカはため息をつく。にしても、本当にこの森には何もいない。ミズカも先程来たばかりだが、もしかしたら森を支配するポケモンがいるかもしれないと思い、イーブイと歩いていた。
刹那、風も吹いていないのに森の中の一本の木の枝が揺れた。
「な、なに……?」
カスミはまた動きが止まる。ミズカはすぐに誰だかわかった。
「なーんだ。ロケット団だよ。ロケット団!」
声を上げるが、それが裏目に出てしまった。ロケット団は、バレるとすばやくミズカを縄で縛った。サトシ達も考えていなかったことに目を見開く。
「なんであたしを縛るの!」
ミズカはロケット団を睨み付けた。ロケット団はそれを無視した。
「なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
「世界の破壊を防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
「銀河を駆けるロケット団の二人には」
「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」
「にゃんてにゃー!」
ミズカの睨み付けるをもろともせず、いつもの口上を言い切った。
「のはずなんだが……」
「また、迷ったわけ? しかも、この暗い森で……」
昼間も暗く、多くのトレーナーが怖がりながら進むと言われる森でサトシ達は迷っていた。怖がりのカスミは震えている。
「カスミは怖がりだなぁ」
「だってこの森、寒いじゃない! あんただって何か出たら――」
「おーい!」
なんの気配もない森。ポケモンすら見かけない。そんなところで、後ろから誰かに呼ばれる三人……。三人の動きは止まった。流石にサトシもタケシも引きつりながら顔を見合わせる。
「おーい!」
その声はどんどん近づいてきた。二度目の呼び声で、サトシもタケシも声の持ち主がわかった。カスミに関しては動きが止まったままである。その声の持ち主はカスミの肩に手を置いて、
「カスミ!」
おそらくカスミを呼んだのはわざとだろう。カスミは「きゃー!」と声を上げその場に座り込んでしまった。トゲピーは楽しそうにしている。
「カスミ……、大丈夫だって!」
サトシが笑いながら言った。カスミは恐る恐る顔を上げた。すると、すぐに笑顔になった。
「なーんだ! ミズカじゃない!」
そう。声の主はミズカだった。隣にイーブイもいる。
「幽霊の方が良かった?」
「ごめんごめん……。だって、この森すごく暗いんだもの……」
カスミは、そう言いながら立ち上がった。ミズカはため息をつく。にしても、本当にこの森には何もいない。ミズカも先程来たばかりだが、もしかしたら森を支配するポケモンがいるかもしれないと思い、イーブイと歩いていた。
刹那、風も吹いていないのに森の中の一本の木の枝が揺れた。
「な、なに……?」
カスミはまた動きが止まる。ミズカはすぐに誰だかわかった。
「なーんだ。ロケット団だよ。ロケット団!」
声を上げるが、それが裏目に出てしまった。ロケット団は、バレるとすばやくミズカを縄で縛った。サトシ達も考えていなかったことに目を見開く。
「なんであたしを縛るの!」
ミズカはロケット団を睨み付けた。ロケット団はそれを無視した。
「なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
「世界の破壊を防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
「銀河を駆けるロケット団の二人には」
「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」
「にゃんてにゃー!」
ミズカの睨み付けるをもろともせず、いつもの口上を言い切った。