4章 ピチューゲット! vsサトシ

しばらくして、カスミとタケシの元にミズカとサトシが戻ってきた。カスミは暗い顔で、落ち込んで座っており、トゲピーが心配そうに、カスミの顔を覗いている。

ミズカは、カスミの前に立った。

「ごめんね! あたし……、素直になれなかったの。カスミが気を遣って話しかけてくれたのに。どうしても素直になれなくて……」
「ううん、あたしこそ、ごめん。ミズカを慰めるために声をかけたのに……あんなこと言っちゃって……」

お互いに謝る。顔を見合わせると、お互いに口角を上げた。

「じゃあ、仲直りしよ?」
「えぇ!」

こうして、ミズカとカスミの仲は無事に元に戻った。

少し休憩して、太陽が彼らの真上を通過する頃、次の町を目指そうと準備をし始める。ミズカは、リュックを漁る。そういえば、昨日、ピチューをゲットするのに空のモンスターボールを出したとき、手紙が入っていたのを思い出した。

「ミズカ、どうしたの?」
「オーキド博士から手紙が来てたの」

カスミの質問にオーキドからの手紙をヒラヒラさせて答える。何の話なんだろうかと、ミズカはまず一人で読み始めた。彼女の表情は手紙を読むにつれて、どんどん険しくなっていった。最後には表情をなくす。

「どうしたんだ? ミズカ」

ミズカの様子はサトシ達からでもわかった。サトシ達は、ミズカから手紙を受け取る。ミズカが俯いているのを見て、サトシ達は息を呑みながら、手紙を読んだ。

『ミズカへ
久しぶりじゃな。
そろそろ、ポケモンバトルにも慣れた頃じゃろうか。リーグ出場も考えているかもしれん。もしそう思っていたらと、手紙を書くことにした。結論、残念ながらリーグ出場は無理なんじゃ……。
お前さんは、違う世界の人間じゃ。わかりやすく言うと、違う世界の住民なんじゃ。バッジは集めることはできるんじゃが、リーグに出場できるのはこの世界の住民だけじゃ。
もし、リーグに出たければ、一つだけ方法はある。それは、この世界の住民になることじゃ。しかし、わしにもまだその方法がわかっとらん。お前さんには申し訳ない。
話が変わるが、お前さんは、違う世界の住民のままじゃと、この世界では、何歳になろうと十歳の体のままじゃ、承知しとくれ。
それじゃあ、この辺で終わりじゃ。頑張るんじゃぞ。   オーキドより』

それを読み終わった三人はミズカを見た。確かに、ミズカには身分を証明できるものがない。なければリーグには出場できない。ジムには挑戦できるということは、もしかしたら他の理由からかもしれないが。そんなことをサトシ達が知るはずもない。

ミズカにとって辛い現実。さっき、バトルに強くなりたい。そのためにリーグに挑戦したいと話していた。正直、掛ける言葉が見つからなかった。

「オーキド博士ったら、もうちょっと早く言ってくれればよかったのに! あたしはこの世界にこれただけで十分いいのにさ」

三人が心配しているのを感じて、ミズカは明るくして見せた。三人は黙ったままだ。
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