4章 ピチューゲット! vsサトシ

「ミズカ、成功したな!」
「うん! もう実戦で使えるね。チコリータ!」
「チコチコ!」

実はミズカ、チコリータに強くなりたいと言われた。おそらく、前のトレーナーの一件もあってのことだ。ミズカも同じ気持ちだったため、サトシにお願いして、フシギダネをコーチにしてもらった。

草ポケモン同士なら覚えるのも早いだろう。そうして、チコリータはソーラービームを覚えた。ちょうど、実践で使えるかどうかだったため、ロケット団で試したのである。

チコリータと喜び合っていると、ピチューがテクテク歩いてきた。どうやら近くで隠れていたようだ。野生であるため、どこかへ行ってしまったと思っていたミズカは目を丸くする。

「ピチュー!」

ピチューはまたお辞儀をした。

「全然気にしないで」

気にしないで、と言ってから、ピチューと目が合った。ここで、ゲットしたいは図々しいだろうか。だが、今しかチャンスがないのも事実だ。

ミズカは恐る恐るピチューに話しかけた。

「ところで……、ピチュー、あたしの仲間にならない?」

その言葉にピチューは目を輝かせた。ピチューもミズカといたいと思ってくれていたらしい。どうやら、OKらしく、大きく頷かれた。

「よし、そしたらバトルしよ! あたしはトレーナーだからね!」

こうして、ミズカはピチューとバトルすることになった。

「チコリータは疲れてるから、イーブイでいくよ! 出てきて、イーブイ!!」
「ブイ!」

イーブイは目の前にいるピチューとのバトルに張り切っている様子だ。

「いくよ! ピチュー!」
「ピチュー!」
「イーブイ! 電光石火!」
「ブイ!」
「ピヂュー!」

ピチューは電気ショックをイーブイに当てようとする。しかし、イーブイのスピードが速くて当たらない。イーブイの電光石火がピチューに当たった。

ピチューは宙に放たれた。

「よーし、イーブイ! スピードスター!」
「ブイブイ!」

スピードスターはピチューに当たる。ピチューは足をふらつかせた。

「ミズカ、今よ!」

カスミがタイミングを教える。

「うん! いっけーモンスターボール!!」

素直に頷いたミズカは、モンスターボールを投げた。モンスターボールは、ピチューに当たり、ボールの中に吸い込まれる。モンスターボールは揺れる。

――なんか緊張する……。

一度の揺れが大きく、そしてゆっくりと感じた。数秒の出来事なのだが、それが何分にも感じられる。心臓の高鳴りが最高潮に達したとき、モンスターボールの揺れはおさまった。見事、ピチューをゲットした。

「やったー!!」

万歳をしながら、ミズカはピチューの入ったモンスターボールを拾いにいく。

「ピチュー! ゲット!!」
「ブイブイ!」
「やったな。ミズカ」

タケシに言われて、ミズカは頷く。

「うん! 出てきて! ピチュー!」
「ピチュー!」
「これからよろしくね!!」
「ピチュー!」

早速ピチューをボールから出して挨拶をする。またまた、ピチューは畏まったお辞儀をした。

「もう、お辞儀はいいわよ。だって、友達なんだから」
「ピチュー!」

ピチューはミズカの胸に飛び込んだ。

「てことは……、ミズカはサトシとバトルするの?」

カスミが3匹目のゲットを見て、聞いてきた。チコリータもソーラービームを覚えた。ピチューもゲットできた。少しだけ、ミズカに自信が生まれる。

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