「出てきてチコリータ！　ロケット団を止めるわよ！」

怒るムサシにお構いなしに、ミズカはチコリータを出した。

「チッコ！」
「それなら、ピカチュウをゲットするまでよ！　いけ！　アーボック！」
「シャーボック！」
「いけー！　マタドガス！」
「マータドガース！」
「二匹……、そっちのほうが卑怯じゃない……」

ミズカがため息をつくと、サトシが隣に並んだ。

「なら俺も行くぜ！　ヒノアラシ、君に決めた！」
「ヒノー！」

ミズカはチコリータ、サトシはヒノアラシ、ムサシはアーボック、コジロウはマタドガスでバトルすることになった。

「よーし、先手必勝！　チコリータ、はっぱカッター！」
「チッコ！」　

チコリータはアーボックに向けて攻撃を仕掛けた。

「アーボック、避けて、毒針！」
「シャ！」

アーボックは、はっぱカッターをかわすと、チコリータではなく、ヒノアラシに向かって毒針を放つ。

「ヒノアラシ！　毒針に向かって火炎放射だ！」
「ヒーノー！！」

それを見て、サトシはヒノアラシに火炎放射で飛んできた毒針を落とした。ホッとしたのもつかの間、今度はマタドガスがヒノアラシに体当たりで向かってくる。

「チコリータ。はっぱカッターでヒノアラシのフォロー！」
「チコチコ！！」

マタドガスを見て、すかさずミズカはチコリータにはっぱカッターの指示を出す。そうしてマタドガスの動きを止めた。

「サトシ。あれやりたいんだけど……」
「あれって……、あれか？」
「そう！　練習には今がもってこいだと思って！」

ミズカがサトシにお願いすると、サトシは口角を上げる。

「わかった！　ヒノアラシ。火炎放射で、二匹の動きを止めるんだ！」
「ヒノ！」

あっという間に、アーボックとマタドガスの動きが止まる。それを見て、ミズカは二匹を指さした。

「よーし！　チコリータ、練習どおりにういくわよ！！　ソーラービーム！！」
「チコチコチコ！　チッコー！！」

チコリータの葉はみるみる内に光りだした。そして、ギリギリまで溜めると、その光を開放し、ビームのようにアーボックとマタドガスにぶつける。これがソーラービーム。実践では初めて使ったが、二匹は見事に倒れた。

「チコリータ。よくやったわ！」
「チッコ！」

あとは、あたふたしている目の前の二人と一匹だ。ミズカとサトシは口角を上げると、腕を振り上げてからロケット団を指さした。

「チコリータ！」
「ヒノアラシ！」
「はっぱカッター！」
「火炎放射だ！」
「チッコー！」
「ヒノー！！」

両方から、攻撃がきてロケット団は身動きがとれず吹っ飛んだ。

「やな感じ～！！」

飛んでいったロケット団を見て、ミズカとチコリータはにこりと笑った。ソーラービームの成功に胸が踊る。