4章 ピチューゲット! vsサトシ

森の中に入ったミズカは、すぐにリンゴの木を見つけた。一番近いリンゴに手を伸ばす。少し触れたが、リンゴが微かに揺れるだけで落ちてくる気配はない。

「ん~、あとちょっと……」

もう少しで届きそうだったため、ムキになってとろうとする。

「ぴぢゅー!」

後ろから声がした。電撃がミズカの横を通って、ミズカのとりたかったリンゴに命中すると、そのリンゴは落ちて転がっていく。ミズカはそのリンゴを拾おうとすると、野生のピチューが持っていた。今の電撃はこのピチューのであるらしい。

「ピチュー!」

ピチューは持っていたリンゴをミズカに渡した。

「ありがとう!」

どうやらミズカが困っているのを見て、リンゴを代わりに取ってくれたらしい。ミズカはリンゴを受け取る。そして、口角を上げると、リンゴを半分にした。

「ピチュ?」
「はい! これはお礼よ!」

そう言って、ミズカは半分にしたリンゴを片方渡した。ピチューはそれがすごく嬉しかったのか、パアッと花が開いたように笑顔になった。

「ピチュー!!」

お礼を言うだけでなく、お辞儀までしてきた。ミズカはその姿にビックリする。

――このピチューかなりのしっかり者ね!

可愛いなぁ、と思っている間にピチューはリンゴを咥えて走って行ってしまった。ミズカもいつもより美味しく感じるリンゴを味わいながら、サトシ達のところへ戻る。

戻るなり、ミズカは興奮しながら、サトシ達に起こったことを話した。

「でね! そのピチューお辞儀までしてきたんだよ!!」
「へぇ~、ピチューか……。ピカチュウの進化前だな」
「ピカ!」
「うん! あのピチューかわいかったなぁ。また、会えないかなぁ!」

ミズカはすっかり、あのピチューが気に入ったらしい。ゲットもできたらと思っている。

「でも、また会うことなんか、できるのか?」
「え……。で、できるわよ! きっと……ね! カスミ?」
「なんで、あたしに振るのよ……。でも、この近くで会ったんなら、会えるんじゃない?」
「ほら! やっぱりカスミもそう思うでしょ!」

どうやら、本当にゲットする気らしい。そんなミズカの願いが叶ったのか。次の日また再会できた。昨日のりんごの木の場所に立ち寄ると、ピチューが美味しそうにリンゴを食べていた。

ピチューもミズカに気づき、嬉しそうにお辞儀をする。

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