最終章 別れのとき
――二ヶ月後、
「ミズカー!! いい加減起きなさい!」
「はい……?」
母に起こされ、寝ぼけながら起きたミズカは、目覚まし時計を見て飛び起きた。
「うそー!? もうこんな時間?!」
実際、普通に準備すれば間に合う時間だった。少しホッとすると、三階から、メルヘンチックな二階のリビングに行く。
「今日から中三だから、一人で学校に行くって張り切っていたでしょ。遅れたら洒落にならないじゃない」
そんな母の声が耳に響き、苦笑しながらも、朝食を口に運ぶ。ミズカは今日、中学三年生になる。それをきっかけに自ら一人で学校へ行くと言い出したのだ。
今までは先生たちに送り迎えをしてもらっていたが、今はもう前向きだ。『大丈夫』と、ポケモンアニメ、ヒカリの口癖を思い出す。相変わらず、ミズカはポケモンが好きだ。
シンプルだった部屋には、ポケモンのぬいぐるみが一つまた一つと増えていた。ミズカは出窓に飾っている。
定番のピカチュウとポッチャマのぬいぐるみ。ピチュー、プラスルとマイナン、チコリータのぬいぐるみが応援するように並んでいる。そして、バシャーモとチルタリスとサーナイトのぬいぐるみが4匹を見守るように後ろに立っていた。この三匹はミズカのゲームのパーティにもなっている。
そして、もう一匹、ゲームのパーティになっているポケモンがいた。ピカチュウの隣には、太陽ポケモンのエーフィがいる。ゲームではミズカのエースポケモンだ。
帰ったら、ポケモンゲームをやろう。ミズカはそう思いながら、食パンの最後の一口を口に入れた。
「それじゃあ、行ってきます!」
準備が終わり、ミズカは元気よく家を飛び出す。ミズカの頭の中には、『タイプワイルド』が流れていた。思わず鼻歌を歌う。
記憶を失っても、彼女の気持ちは変わらなかった。仲間との絆が少しでも彼女に残っているからかもしれない。
――あ、今週のポケモンは絶対見なきゃ!
無論、ポケモンを大好きな気持ちも変わらない。確か、今週はスイクンが登場すると予告にあった。
ほんのりと春の匂いを運ぶ風を吸い込むと、ポケモンが大好きな中学三年生の少女は明るい未来に向けて駆けて行った。
END
「ミズカー!! いい加減起きなさい!」
「はい……?」
母に起こされ、寝ぼけながら起きたミズカは、目覚まし時計を見て飛び起きた。
「うそー!? もうこんな時間?!」
実際、普通に準備すれば間に合う時間だった。少しホッとすると、三階から、メルヘンチックな二階のリビングに行く。
「今日から中三だから、一人で学校に行くって張り切っていたでしょ。遅れたら洒落にならないじゃない」
そんな母の声が耳に響き、苦笑しながらも、朝食を口に運ぶ。ミズカは今日、中学三年生になる。それをきっかけに自ら一人で学校へ行くと言い出したのだ。
今までは先生たちに送り迎えをしてもらっていたが、今はもう前向きだ。『大丈夫』と、ポケモンアニメ、ヒカリの口癖を思い出す。相変わらず、ミズカはポケモンが好きだ。
シンプルだった部屋には、ポケモンのぬいぐるみが一つまた一つと増えていた。ミズカは出窓に飾っている。
定番のピカチュウとポッチャマのぬいぐるみ。ピチュー、プラスルとマイナン、チコリータのぬいぐるみが応援するように並んでいる。そして、バシャーモとチルタリスとサーナイトのぬいぐるみが4匹を見守るように後ろに立っていた。この三匹はミズカのゲームのパーティにもなっている。
そして、もう一匹、ゲームのパーティになっているポケモンがいた。ピカチュウの隣には、太陽ポケモンのエーフィがいる。ゲームではミズカのエースポケモンだ。
帰ったら、ポケモンゲームをやろう。ミズカはそう思いながら、食パンの最後の一口を口に入れた。
「それじゃあ、行ってきます!」
準備が終わり、ミズカは元気よく家を飛び出す。ミズカの頭の中には、『タイプワイルド』が流れていた。思わず鼻歌を歌う。
記憶を失っても、彼女の気持ちは変わらなかった。仲間との絆が少しでも彼女に残っているからかもしれない。
――あ、今週のポケモンは絶対見なきゃ!
無論、ポケモンを大好きな気持ちも変わらない。確か、今週はスイクンが登場すると予告にあった。
ほんのりと春の匂いを運ぶ風を吸い込むと、ポケモンが大好きな中学三年生の少女は明るい未来に向けて駆けて行った。
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