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33章 苦渋の決断

「あ、もしもし。ミズカです」
「おぉ、ミズカ。無事で何よりじゃ」

ミズカは早速オーキド研究所へ連絡する。ミズカの顔を見て、オーキドはパッと顔を明るくさせた。

「こんにちは、オーキド博士」
「シゲルか。皆無事なんじゃな」
「はい」

ミズカの横からひょこっと出したシゲルは頷いた。オーキドはすべて解決したことを悟り、安心したように笑う。

「ところで、これからマサラタウンへ来れるかのう?」
「へ? 今からですか? でも、どうやって……」

言いかけたところで、もしやと思い手鏡を出した。ポケットに入れといたのに、久しぶりに見た気がする。

「今のお前さんなら、手鏡を使ってマサラタウンまで来れるはずじゃ。それを使って皆を連れて来るといいじゃろう」
「はい」
「待っておるぞ」

オーキドのその言葉で電話を切った。

ミズカの勘はすぐに働いた。自分は、マサラタウンでポケモン世界を離れるのだと、繋がった一本の糸が切れるのだと。皆を連れて行くと言うことはそういう意味だろう。

「よし、皆を誘ってマサラタウンに……って、皆ちゃっかり聞いてたみたいだね」

振り向くと、苦笑した仲間の姿があった。まだ解決しているようで解決していないことが一つある。

ノリタカがなぜミズカを殺そうとしたのか。オーキドなら知っているのではないか。みんな、そう考えていた。だから、マサラタウンへ行くつもりだったのだ。

ちゃっかり荷物まで持っている。ミズカはニッと笑った。

「ちょっと待ってて! ジョーイさんに言ってくる」

ミズカはロビーに行くと、ジョーイに声をかける。

「ジョーイさん! え~と……その……」

何から話をするか、全く考えていなかった。説明が下手なミズカにとって難しい話である。

「わかってるわ。オーキド博士から聞いてます」
「あ、そうなんですか?」

ジョーイの言葉にホッとした。これで説明の必要はなくなったわけだ。

「……もう行くのね?」
「はい。お世話になりました」
「いいのよ。あなたが元気になってくれて良かったわ」
「本当にありがとうございました! それじゃあ、行きます」

ミズカはお辞儀をし、みんなのところへ戻って行った。

「あたし達をマサラタウンに行かせて!」

久々に、手鏡に声を出した。ドアが出てくる。ミズカは少しドアを開けることを躊躇した。これで終わる。みんなともお別れになる。肩に乗ったピチューが不思議そうにミズカを見つめた。

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