32章 最後の戦い
オーキドにも昨日確認済みだ。やはり、別れなければならないらしい。
「シゲルは……、わかってるんだよね。きっと……」
ミズカが、この世界に来れなくなるのをわかっていなくても、心の何処かで違う世界の人間を好きになってはいけないのは何となくわかっているのだろう。
だから、付き合っている感じではない。彼氏、彼女という感じにも思えていなかった。想いは伝えたのに、何処かに壁がある。それが凄く辛い。
もし時空が歪んでいるのなら、解決すれば、自分は仲間と永遠に別れを告げなければならない。刺される前に思っていたやりたいこと、それが出来ない。
みんなと一緒にいられなくなるなら……。刺された傷が治らないでいて欲しい。
「……どうしてこの世界に生まれて来なかったんだろう」
三日月を見ながら、顔を歪めた。何も考えていなかった時の自分に戻りたい。
「なんで……こんな辛いの?」
胸が締め付けられるように痛く、苦しい。
別れが近いとすぐにわかっていたら、サトシと仲直りしなければ良かった。シゲルの告白に、返事をしなければ良かった。皆嫌いだと嘘でも言うべきだった。
「嫌だよ。終わりなんて……。エーフィやピチュー達にも会えなくなるなんて……」
視界が滲んできた。これ以上、考え込んでも、ただ泣くだけだ。ミズカは悲しさを飲み込みながら、再びベッドに入った。そのまま、気持ちが落ち着くまで、彼女は眠る事が出来なかった。
「シゲルは……、わかってるんだよね。きっと……」
ミズカが、この世界に来れなくなるのをわかっていなくても、心の何処かで違う世界の人間を好きになってはいけないのは何となくわかっているのだろう。
だから、付き合っている感じではない。彼氏、彼女という感じにも思えていなかった。想いは伝えたのに、何処かに壁がある。それが凄く辛い。
もし時空が歪んでいるのなら、解決すれば、自分は仲間と永遠に別れを告げなければならない。刺される前に思っていたやりたいこと、それが出来ない。
みんなと一緒にいられなくなるなら……。刺された傷が治らないでいて欲しい。
「……どうしてこの世界に生まれて来なかったんだろう」
三日月を見ながら、顔を歪めた。何も考えていなかった時の自分に戻りたい。
「なんで……こんな辛いの?」
胸が締め付けられるように痛く、苦しい。
別れが近いとすぐにわかっていたら、サトシと仲直りしなければ良かった。シゲルの告白に、返事をしなければ良かった。皆嫌いだと嘘でも言うべきだった。
「嫌だよ。終わりなんて……。エーフィやピチュー達にも会えなくなるなんて……」
視界が滲んできた。これ以上、考え込んでも、ただ泣くだけだ。ミズカは悲しさを飲み込みながら、再びベッドに入った。そのまま、気持ちが落ち着くまで、彼女は眠る事が出来なかった。