29章 再会、ポケモンダンス団!

「サラダの盛り付け終わったよ」
「ミズカがいるときは、夕飯の準備が早く終わるなぁ」
「こう見えて、料理はできますから!」

タケシの手伝いをし、ミズカはテーブルの上に料理を並べる。そんなミズカの先には、ピチューとピカチュウがいた。ずっと話していて、なんだか兄妹みたいだなぁと考える。

「みんな、出てきてー!」

ヒカリがポケモンたちを出す。ミズカ達も後に続いた。

「いっただきまーす!」

手を合わせたのだが、ピチューとミミロルが喧嘩を始めてしまった。原因はピカチュウである。あまりにも、ピチューとピカチュウが仲が良いものでミミロルが嫉妬してしまったのだ。

当然、そんなつもりはないピチュー……。何故嫉妬をされなくてはならないのかわからなかった。ミミロルに反論している。

「ピチュー、止めなさい。……気持ちはわからないでもないけど……」

ミズカがピチューを止める。ピチューの気持ちは十分にわかる。久しぶりに会えて、まだまだ話したいことがたくさんあるのだろう。しかし、ミミロルの気持ちもわからないでもない。

「ミミロルも! ピチューはピカチュウと話したいだけなのよ」
「ミミィ!」
「……ピカ」

そんなミミロルの反応にピカチュウは、どうしたらいいかわからない。戸惑っていた。

「ピチュー、ほらエーフィと一緒に食べなよ。エーフィとも話したいことはたくさんあるでしょ?」
「ピチュ……」

仕方なくピチューは頷いた。そして、エーフィの所へ行く。ミズカはエーフィに両手を合わせ、頼むような表情をした。エーフィはわかってくれたようで苦笑しながらも頷いた。

「……さて、食べよっか」
「ごめんね。ミミロル、かなりピカチュウのことが好きなみたいで……」
「あ、いいのいいの。ピチューだってわかってると思うし」

ミズカはヒカリに首を横に振る。そして、やっと口にご飯を運んだ。

「ごちそうさま!」

夕食を食べ終わり寝袋を出すミズカ達。その横でやっとピチューはピカチュウと話していた。夕食を食べた後は、大抵、ほとんどのポケモンはモンスターボールの中だ。ミミロルもその一匹のため、今は話が出来るというわけだ。

「エーフィ、さっきはありがとう」

ミズカはそんな二匹を見ながら、エーフィに言った。エーフィはニコッと笑う。実際、ピチューはエーフィと話し出すと、とても楽しそうだった。ピカチュウ相手だと、ピチューが話す側だったが、エーフィ相手だとピチューは聞く側になった。

理由はミズカの話が聞きたかったから。ずっと一緒にいたエーフィからミズカとの旅の話を聞くのは楽しかった。
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