29章 再会、ポケモンダンス団!
「ピチュー、楽しみにしてるのに残念だわ」
アイミが眉を下げて残念がっていると、後ろから「ピチュ……」と、ピチューの声がした。
「ピチュー……。あなた、もしかして今の……」
アイミが驚いた表情で聞くと、ピチューは頷いた。
「あら、しっかり聞いちゃってたのね」
ヒカリはひきつった表情でピチューを見た。そして、三人と顔を見合わせる。
「皆、エリコさんがお茶にしようだって。……どうしたの?」
そこへミズカが来た。四人と、ピチュー、ピカチュウの妙な空気に首を傾げる。なんだか気まずそうだ。
「ピチュピ、ピチュピチュ!」
ピチューはミズカの胸に飛び込んだ。彼女は、なんのことかわかったらしく、困った表情を見せる。
「ごめん。ミズカとサトシのことを私が聞いていたら、ピチューも聞いてたみたいで……」
アイミは、引きつった表情でミズカに言った。
「ううん。仕方ないよ」
ミズカは首を横に振った。アイミにも、このことは言っておかなければならないし、ピチューにも話さなければならないことだった。
「ピチュー、ごめんね。あたしもまた旅をして、一緒にバトルもしたい。でも話を聞いた通り、今一緒に旅をすれば、ピチューにも危害が出るかもしれない。だから、連れて行けない」
「……ピチュピチュ」
嫌だと言っているのだろう。ピチューはミズカの服に自分の顔を押しつけるようにしがみつく。あまりワガママを言わないピチューが珍しい。相当、ミズカと旅をしたいのだろう。
「ピチュー。あなたの居場所は、このダンス団でしょ」
ピチューに……、いや自分に言い聞かせるように、しがみついているピチューを地面に降ろした。
「……ごめん」
ピチューの顔がまともに見れずに後ろを向く。そして、エリコのいる場所へ戻って行った。
「そう……。ピチューは聞いてしまったのね」
「はい……」
戻って来たミズカは、エリコに話していた。俯く。
「……どうしても、ピチューを連れて行けないかしら?」
「はい。色んな事を考えるとピチューには、ここで頑張ってもらうのが一番だと思うんです」
「……そうかしら?」
エリコの言葉に、「えっ」と顔を上げて聞き返す。
「たしかに、ここにいた方がピチューは安全だと思うわ。だけど、今のピチューはあなたといたいと思ってる。例え、その道が危険でも……」
ミズカは何も言えなくなった。危険でも、自分の進みたい方向があれば、そこに進むのはミズカも同じだ。
テニス部だってその一つ。辞めた方が良いのはわかっていたのに出来るところまでやった。今も休部というだけで、実は辞めてはいない。それは、テニスが大好きだからだ。その対象がもし人なら尚更かもしれないとミズカは思ってしまった。人は皆、一緒にいたいと思う人といるもの。それは、ポケモンも一緒だ。
アイミが眉を下げて残念がっていると、後ろから「ピチュ……」と、ピチューの声がした。
「ピチュー……。あなた、もしかして今の……」
アイミが驚いた表情で聞くと、ピチューは頷いた。
「あら、しっかり聞いちゃってたのね」
ヒカリはひきつった表情でピチューを見た。そして、三人と顔を見合わせる。
「皆、エリコさんがお茶にしようだって。……どうしたの?」
そこへミズカが来た。四人と、ピチュー、ピカチュウの妙な空気に首を傾げる。なんだか気まずそうだ。
「ピチュピ、ピチュピチュ!」
ピチューはミズカの胸に飛び込んだ。彼女は、なんのことかわかったらしく、困った表情を見せる。
「ごめん。ミズカとサトシのことを私が聞いていたら、ピチューも聞いてたみたいで……」
アイミは、引きつった表情でミズカに言った。
「ううん。仕方ないよ」
ミズカは首を横に振った。アイミにも、このことは言っておかなければならないし、ピチューにも話さなければならないことだった。
「ピチュー、ごめんね。あたしもまた旅をして、一緒にバトルもしたい。でも話を聞いた通り、今一緒に旅をすれば、ピチューにも危害が出るかもしれない。だから、連れて行けない」
「……ピチュピチュ」
嫌だと言っているのだろう。ピチューはミズカの服に自分の顔を押しつけるようにしがみつく。あまりワガママを言わないピチューが珍しい。相当、ミズカと旅をしたいのだろう。
「ピチュー。あなたの居場所は、このダンス団でしょ」
ピチューに……、いや自分に言い聞かせるように、しがみついているピチューを地面に降ろした。
「……ごめん」
ピチューの顔がまともに見れずに後ろを向く。そして、エリコのいる場所へ戻って行った。
「そう……。ピチューは聞いてしまったのね」
「はい……」
戻って来たミズカは、エリコに話していた。俯く。
「……どうしても、ピチューを連れて行けないかしら?」
「はい。色んな事を考えるとピチューには、ここで頑張ってもらうのが一番だと思うんです」
「……そうかしら?」
エリコの言葉に、「えっ」と顔を上げて聞き返す。
「たしかに、ここにいた方がピチューは安全だと思うわ。だけど、今のピチューはあなたといたいと思ってる。例え、その道が危険でも……」
ミズカは何も言えなくなった。危険でも、自分の進みたい方向があれば、そこに進むのはミズカも同じだ。
テニス部だってその一つ。辞めた方が良いのはわかっていたのに出来るところまでやった。今も休部というだけで、実は辞めてはいない。それは、テニスが大好きだからだ。その対象がもし人なら尚更かもしれないとミズカは思ってしまった。人は皆、一緒にいたいと思う人といるもの。それは、ポケモンも一緒だ。