「ニャ、やめるにゃ！」
「ピカチュウ、今のうちにスイッチを取るんだ！」
「ピカッ！」

ニャースは、完全にチルタリスしか見えていなかった。そのため、チルタリスの背に乗っていたピカチュウにあっさりスイッチを取られる。ムサシとコジロウは、ピカチュウから取り返そうとするが、躱され到頭取られた。チルタリスはピカチュウを背に乗っけて、ミズカ達のところへ戻る。

「チルタリス、ピカチュウありがとう！　ピチュー、今助けるからね！」

そう言って、ピカチュウからスイッチを受け取り、ボタンを押した。網は、気球から離れ、地面に落ちた。

「ピチュ、ピピチュー！」

動きが取れるようになったピチューは、すぐさま、他のポケモン達にエリコのところへ行くよう指示を出した。そして、エリコのところにポケモン達が集まったことを確認すると、自分はミズカのところへ行く。

「ピチュー、無事で良かった……」

ミズカはホッとした表情でピチューを見た。

「チルタリス、ピチューも乗せてあげて。自分の舞台を壊されて怒ってるみたいだから」

ピチューは、ミズカに気持ちがわかってもらえて嬉しいのか、ニコッと笑い頷いた。

「よし、ピカチュウも頼むぜ」
「ピッカ！」

二匹はチルタリスに乗り、ロケット団の所へ行く。

「ピチュー、十万ボルト！」
「ピカチュウも十万ボルトだ！」
「ピ～チュ～！！」
「ピ～カチュ～ウ！！」

ムサシとコジロウがポケモンを出す間もなく、ピチューとピカチュウは十万ボルトを放った。

「やな感じ～」

気球は爆発し、ロケット団は空に消えて行った。その瞬間、観客から拍手が沸き起こる。ミズカとサトシは、お辞儀をし、手を大きく振った。

「チルタリス、ありがとう。休んで」

ミズカは、チルタリスをモンスターボールに戻す。

「ピチューもありがとね」
「ピチュピチュ！」
「さぁ、続きをやるわよ！」

エリコの言葉にポケモン達は頷く。ロケット団が置いていった網を片付け、落ち着きを取り戻すと、再びダンスが始まった。ミズカ達は最後まで楽しんだ。