29章 再会、ポケモンダンス団!

「やば……、パチリスってあたしゲームで育ててるんだよね! 本物も可愛いなぁ~。ポッチャマもミミロルも可愛い~」

ミズカは、水色でリスに似たポケモン、パチリスを前に興奮していた。ちなみに、その横にはポッチャマとミミロルもいる。この三匹はヒカリのポケモンだ。

サトシがクロガネジムでの再戦で勝った。その後、ポケモン世界に行こうとしたが、向こうの世界の生活に疲れが溜まって行けなかった。

そして一週後、アニメを見たらヒカリがパチリスをゲットしていたのである。疲れていたが、この世界へ来た。

「なんか……、ミズカってああいうタイプだっけ?」

ヒカリはミズカを指差しながら聞いた。

「そうか。ヒカリはミズカが大変なときにあって、しばらく続いていたからな……」
「それにしても、今日はテンション高くないか?」

タケシが答えると、サトシが付け加えた。そもそも、テンション高いのは久々に見る。二人ともいつが最後だったか思い出せないくらいには、昔の話だった。

とはいえ、最近の話を聞くと、向こうの世界では学校にも通えるようになり、順調に前を向いて歩いているらしい。それに、一旦は父のことも大丈夫そうだ。だから、体力がなくても、精神的には安定している様子だった。
 

「さあさあ、ポケモンダンス団のダンスが始まるよ~ん」

遠くから、愉快な声が聞こえる。ミズカはピクッと体が反応した。ポケモンダンス団といえば……、ピチューだ。居ても立ってもいられず、ミズカは声のする方へ駆け出した。

「タケシ、ポケモンダンス団ってたしか……」
「あぁ、間違えないな」

サトシが聞くと、タケシは頷き答えた。ヒカリは何のことかわからず首を傾げる。しかし、聞く前に二人はミズカを追ってしまった。ヒカリも仕方なく、ミズカを追いかける。

鼓動が高鳴る。不意に思い出したのは、ポケモンダンス団に入団し、トラックに揺られ、自分に手を振ったピチューだった。木々の間を抜け、出てきたのはトラックの前である。

「……やっぱり」

ミズカは呟いた。これは夢なのではないかと、目をパチクリさせる。

「ピ……? ピチュ~!!」

そんなミズカに、一匹のピチューが抱きついてきた。いきなりだったため、ミズカはバランスを崩して、ひっくり返る。

「ピチュー……。やっぱり、ピチューだ!!」

ひっくり返ったのもお構い無しに、ミズカは抱きついて来たピチューを見て笑う。久しぶりの再会だ。こんなにも嬉しい事はない。

「ミズカーって、何そこで寝てるんだよ?」

ちょうどサトシ達が来た。 ミズカは苦笑しながら立ち上がる。

「やはり、ポケモンダンス団だったらしいな」
「ピチュー、久しぶりだな」

ミズカの抱いているピチューに気づき、サトシとタケシは盛り上がる。ピカチュウはサトシの肩に乗り、ピチューと挨拶を交わした。
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