28章 初のジム戦!
「イシツブテ戦闘不能、エーフィの勝ち! よって勝者チャレンジャーミズカ!」
審判のイワオの言葉にミズカはハッとする。夢中でやっていたからか、自分の勝利に気づくのにワンテンポ遅れた。
「……やった。やったぁ! 勝った~! エーフィ、勝ったよー!」
ミズカはエーフィに飛びついた。エーフィも嬉しそうに声を上げる。
「いや~、まさか転がるを封じられるとは思わなかったよ。これが、コールバッジだ」
ヒョウタはそんなミズカにコールバッジを渡した。
「ありがとうございます!」
「ミズカ、やったわね!」
コールバッジを受け取ったミズカにヒカリが話しかける。ミズカは、嬉しそうに頷いた。そして、シンジを見る。
「ぬるいな」
シンジはそう言うとクルッと回り、出口へ歩いて行く。ミズカは、ムッとした表情で出口の前に立った。
「他に言うことないの!? 散々人を馬鹿にしといてそれ?」
「エーフィ以外のポケモンのレベルが弱すぎる。もう少し、強いポケモンをゲットすれば、もっとマシなバトルが出来たかもな」
「……いい加減にしなさいよ」
ミズカは、シンジの頬をビンタしたのだ。
その場の空気が凍りついた。サトシとタケシは、やりやがったと呆れた顔だ。ヒカリはわたわたしている。いつもは仏頂面のシンジですら、呆気に取られている。
「ポケモンは、そんな軽いもんじゃない! 確かに、あたしも、あたしのポケモンも弱いかもしれない。バトルを、あまりやってないから経験が不足してる。だけど……、だけど、あたしとポケモンは、絆で繋がってる。かけがえのない仲間なんだから!」
自分のポケモンと強いポケモンと比べられたことが凄く嫌だった。父親に殺されそうになっている自分と一緒に旅をしてくれると言った仲間を侮辱されたくなかった。
「ふん、使えない。トレーナーのレベル自体に問題があるな」
すぐに気を取り直し、シンジはそう言ってジムを出ていった。これ以上言った所で何もならないだろう。ミズカは悔しそうな表情でそれを見送ったのだった。
ミズカ達は、ヒョウタにお礼を言って、ポケモンセンターへ戻った。初めてのジムバトル、初めてのバッジと言うだけで凄く嬉しかった。
ポケモンセンターまでの道中、ミズカはずっと初めてゲットしたバッジを眺めていた。
ポケモンセンターに戻ると部屋のベッドにダイブする。まだお昼だが、凄く気持ちが良くて寝てしまいそうだった。そんなミズカをヒカリはおかしそうに笑う。
「本当に嬉しそうね」
「うん。だって、みんなで力を合わせて取ったバッジだし!」
ニコニコ笑うミズカは、さっきから黙っているサトシを見た。
「ねぇ、サトシ?」
「何だ?」
「どうして、さっきから黙ってるの?」
ミズカが聞くと、サトシは目を逸した。
「別に」
その後に流れる空気が重い。ヒカリは息を飲んだ。つい最近まで関係が戻ったと思っていたのに、この空気は何なのか。
「そんなに、あたしがジム戦で先に勝ったのが嫌だった?」
起き上がって、サトシを見つめる。サトシは首を横に振った。
「ち、違う! ただ……」
「ただ?」
「悔しくてさ……」
彼にとっては、ミズカに負けたような気持ちだった。確かに、チコリータに負けたことはあったが、それ以来はない。サトシは単純に悔しかった。
ミズカは顔をしかめた。
審判のイワオの言葉にミズカはハッとする。夢中でやっていたからか、自分の勝利に気づくのにワンテンポ遅れた。
「……やった。やったぁ! 勝った~! エーフィ、勝ったよー!」
ミズカはエーフィに飛びついた。エーフィも嬉しそうに声を上げる。
「いや~、まさか転がるを封じられるとは思わなかったよ。これが、コールバッジだ」
ヒョウタはそんなミズカにコールバッジを渡した。
「ありがとうございます!」
「ミズカ、やったわね!」
コールバッジを受け取ったミズカにヒカリが話しかける。ミズカは、嬉しそうに頷いた。そして、シンジを見る。
「ぬるいな」
シンジはそう言うとクルッと回り、出口へ歩いて行く。ミズカは、ムッとした表情で出口の前に立った。
「他に言うことないの!? 散々人を馬鹿にしといてそれ?」
「エーフィ以外のポケモンのレベルが弱すぎる。もう少し、強いポケモンをゲットすれば、もっとマシなバトルが出来たかもな」
「……いい加減にしなさいよ」
ミズカは、シンジの頬をビンタしたのだ。
その場の空気が凍りついた。サトシとタケシは、やりやがったと呆れた顔だ。ヒカリはわたわたしている。いつもは仏頂面のシンジですら、呆気に取られている。
「ポケモンは、そんな軽いもんじゃない! 確かに、あたしも、あたしのポケモンも弱いかもしれない。バトルを、あまりやってないから経験が不足してる。だけど……、だけど、あたしとポケモンは、絆で繋がってる。かけがえのない仲間なんだから!」
自分のポケモンと強いポケモンと比べられたことが凄く嫌だった。父親に殺されそうになっている自分と一緒に旅をしてくれると言った仲間を侮辱されたくなかった。
「ふん、使えない。トレーナーのレベル自体に問題があるな」
すぐに気を取り直し、シンジはそう言ってジムを出ていった。これ以上言った所で何もならないだろう。ミズカは悔しそうな表情でそれを見送ったのだった。
ミズカ達は、ヒョウタにお礼を言って、ポケモンセンターへ戻った。初めてのジムバトル、初めてのバッジと言うだけで凄く嬉しかった。
ポケモンセンターまでの道中、ミズカはずっと初めてゲットしたバッジを眺めていた。
ポケモンセンターに戻ると部屋のベッドにダイブする。まだお昼だが、凄く気持ちが良くて寝てしまいそうだった。そんなミズカをヒカリはおかしそうに笑う。
「本当に嬉しそうね」
「うん。だって、みんなで力を合わせて取ったバッジだし!」
ニコニコ笑うミズカは、さっきから黙っているサトシを見た。
「ねぇ、サトシ?」
「何だ?」
「どうして、さっきから黙ってるの?」
ミズカが聞くと、サトシは目を逸した。
「別に」
その後に流れる空気が重い。ヒカリは息を飲んだ。つい最近まで関係が戻ったと思っていたのに、この空気は何なのか。
「そんなに、あたしがジム戦で先に勝ったのが嫌だった?」
起き上がって、サトシを見つめる。サトシは首を横に振った。
「ち、違う! ただ……」
「ただ?」
「悔しくてさ……」
彼にとっては、ミズカに負けたような気持ちだった。確かに、チコリータに負けたことはあったが、それ以来はない。サトシは単純に悔しかった。
ミズカは顔をしかめた。