28章 初のジム戦!

チルタリスのゴッドバードには一つ問題がある。完成したのは良いのだが、一回切りの使用。覚えたてでキツいのか、使用した後はスピードも落ちる。

そのため、昨日は練習中、チルタリスにジム戦でゴッドバードを使うのは止めようと言った。しかし、チルタリスはやると、きかなかった。

「チルタリス、無理しないでね」
「チル」

心配そうに聞くと、チルタリスは元気よく頷いた。

「よし、チルタリス、鋼の翼!」
「ズガイドスは、思念の頭突きだ!」

最初と同じでチルタリスは吹っ飛ばされた。

「力じゃ負ける……。チルタリス、ズガイドスと距離をとって!」
「チル」
「そうはさせないよ。ズガイドス、火炎放射!」
「ギャウ」

チルタリスは、ズガイドスと距離をとろうとする。しかし、スピードが落ちたせいか上手く躱せず、火炎放射を受けてしまった。

「思念の頭突き!」
「ギャウ!」

そして、チルタリスはズガイドスの思念の頭突きでフィールドに叩きつけられた。

「チルタリス、戦闘不能。ズガイドスの勝ち!」
「ありがとう、チルタリス。ゆっくり休んで」

ミズカはチルタリスをボールに戻した。

「使えないな。ゴッドバードを使えてもあの程度か」

シンジの言葉は、ミズカの耳にも入った。今はバトルだと思い無視をする。

「まずいわ……。ミズカのポケモンは後、一体よ」

ヒカリが心配した表情で言った。後、一体、ミズカの方が劣勢だ。

「エーフィ、プレイバトル!」

案の定、ミズカの最後のポケモンは、エーフィだった。ミズカは、深呼吸をする。空中戦はできない。ということは、フィールドをうまく活用するか、活用されないようにしなければならなかった。

「エーフィ、まずはスピードスター!」

まずは、エーフィから攻撃を仕掛ける。

「ズガイドス、火炎放射だ!」

二匹の技はぶつかり合い、先に動いたのはヒョウタだった。

「思念の頭突き」
「ギャウ!」
「躱して、催眠術!」
「フィ」

エーフィはズガイドスの思念の頭突きを躱す。うまくフィールドを囲っている小岩に乗っていた。ズガイドスが思念の頭突きを地面に食らわせると、エーフィはすばやく目の前に駆け寄り行き、催眠術をする。

ズガイドスは眠らないもののフラフラとする。

「サイコキネシス!」
「フィー」

攻撃ができないズガイドスに追い討ちをかけた。エーフィはサイコキネシスで地面に叩きつけた。

「ズガイドス、戦闘不能、エーフィの勝ち!」

チルタリスとのバトルでダメージもあったのだろう。ズガイドスは倒れた。

「効果はいまひとつでも、ゴッドバードは効いていたみたいだね。君達は凄いよ」

ヒョウタは楽しそうに話す。最後のポケモン、イシツブテを出した。
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