28章 初のジム戦!
「さて、やろうか」
「チル!」
ポケモンセンターの近くの広場。準備が出来たチルタリスは大きく頷いた。
「こないだは光を溜められたから、後はそれを保ちながら動けるようになることだね」
チルタリスは頷いた。ミズカは、ゴミ箱から適当に空き缶を見つけると、それを取ってきてチルタリスから離れたところに置く。
「狙うものがあった方がやりやすいでしょ?」
ミズカは空き缶を目標にしてもらうつもりらしい。もし、今日完成しなかったとしても、小さいものに狙いを定められるようになるだけで、ダメージの与え方が変わってくる。チルタリスも頷いて、気合を入れた。
チルタリスはしっかり今日中に完成させるつもりだ。
なぜなら、ミズカが殴られたときに運んだのがチルタリスだったから。頭から血を流していて、自分の背中の上でエーフィを呼んでいたことを思い出す。
同時にタツヒコに殴られていた自分も思い出していた。あのときのチルタリスは、とにかくバトルが苦痛だった。負ければ、オニドリルに攻撃され、タツヒコから罵倒され、酷いと暴力を振るわれる日々。
いい加減、耐えられなくなった日、近くにいた人が偶々ミズカだった。だが、ミズカの行動は早かった。すぐにエーフィを出して、助けてくれようとした。
その姿がとても格好良かった。
そんな格好良い彼女は今、自分の父親に立ち向かおうとしている。ミズカを殴った相手がミズカの父だった。オーキド研究所で気を失うくらいに怪我を負わせられ、エーフィを奪った人……。そのときのミズカは、自分の怪我より、エーフィを助けることばかり考えていた。
すごいなと思う。やっぱり格好良いとも思う。
そして、エーフィもまたミズカのことばかりだ。オーキド研究所で、怒らないでほしいと必死で訴えていたエーフィを思い出した。本来ならミズカをあちらの世界へ迎えに行きたかったはずだ。それを堪え、迎えはサトシ達に任せて、エーフィはミズカが戻ってきた後のことを考えていた。
素敵な関係だと思う。だが、ちょっと心配にもなる。だから、自分が……、いや、みんなで支えられたら。
チルタリスは光を溜めた。お腹から全身に力を入れるところを変え、そして空き缶を目指して一直線に飛んでいく。
カランッと、空き缶が吹っ飛んだ。吹っ飛んだ空き缶は青い光に包まれて、見事に潰れている。
「やったー!!」
自分より先にミズカが喜んだ。振り向くと、ミズカが駆け寄って抱きついてきた。モフモフの翼に顔を埋めている。
「すごい! すごいよ、チルタリス!」
興奮するミズカの目はキラキラしている。チルタリスも嬉しくなって、うんうんと頷いた。
その後、二人は俄然やる気になり、特訓を続けた。
ミズカが帰って来たのは夜遅くだった。夕飯には一度戻ったのだが、その後すぐに広場へ戻って行った。この状況で、夜はまずいという話になり、サトシも特訓に付き合ってくれた。
ピカチュウも手伝ってくれ、ボルテッカーのときの要領をチルタリスに教えてくれたらしかった。
そんなわけで、夜遅くなってしまい、ミズカはヘトヘトだった。そもそも、今、あちらの世界では学校にも通っている。体力的にも結構厳しかった。
そのため、ミズカは部屋に戻ると、何も言わずベッドに倒れた。ヒカリが着替えるように話しかけるが彼女は既に夢の中だった。
「チル!」
ポケモンセンターの近くの広場。準備が出来たチルタリスは大きく頷いた。
「こないだは光を溜められたから、後はそれを保ちながら動けるようになることだね」
チルタリスは頷いた。ミズカは、ゴミ箱から適当に空き缶を見つけると、それを取ってきてチルタリスから離れたところに置く。
「狙うものがあった方がやりやすいでしょ?」
ミズカは空き缶を目標にしてもらうつもりらしい。もし、今日完成しなかったとしても、小さいものに狙いを定められるようになるだけで、ダメージの与え方が変わってくる。チルタリスも頷いて、気合を入れた。
チルタリスはしっかり今日中に完成させるつもりだ。
なぜなら、ミズカが殴られたときに運んだのがチルタリスだったから。頭から血を流していて、自分の背中の上でエーフィを呼んでいたことを思い出す。
同時にタツヒコに殴られていた自分も思い出していた。あのときのチルタリスは、とにかくバトルが苦痛だった。負ければ、オニドリルに攻撃され、タツヒコから罵倒され、酷いと暴力を振るわれる日々。
いい加減、耐えられなくなった日、近くにいた人が偶々ミズカだった。だが、ミズカの行動は早かった。すぐにエーフィを出して、助けてくれようとした。
その姿がとても格好良かった。
そんな格好良い彼女は今、自分の父親に立ち向かおうとしている。ミズカを殴った相手がミズカの父だった。オーキド研究所で気を失うくらいに怪我を負わせられ、エーフィを奪った人……。そのときのミズカは、自分の怪我より、エーフィを助けることばかり考えていた。
すごいなと思う。やっぱり格好良いとも思う。
そして、エーフィもまたミズカのことばかりだ。オーキド研究所で、怒らないでほしいと必死で訴えていたエーフィを思い出した。本来ならミズカをあちらの世界へ迎えに行きたかったはずだ。それを堪え、迎えはサトシ達に任せて、エーフィはミズカが戻ってきた後のことを考えていた。
素敵な関係だと思う。だが、ちょっと心配にもなる。だから、自分が……、いや、みんなで支えられたら。
チルタリスは光を溜めた。お腹から全身に力を入れるところを変え、そして空き缶を目指して一直線に飛んでいく。
カランッと、空き缶が吹っ飛んだ。吹っ飛んだ空き缶は青い光に包まれて、見事に潰れている。
「やったー!!」
自分より先にミズカが喜んだ。振り向くと、ミズカが駆け寄って抱きついてきた。モフモフの翼に顔を埋めている。
「すごい! すごいよ、チルタリス!」
興奮するミズカの目はキラキラしている。チルタリスも嬉しくなって、うんうんと頷いた。
その後、二人は俄然やる気になり、特訓を続けた。
ミズカが帰って来たのは夜遅くだった。夕飯には一度戻ったのだが、その後すぐに広場へ戻って行った。この状況で、夜はまずいという話になり、サトシも特訓に付き合ってくれた。
ピカチュウも手伝ってくれ、ボルテッカーのときの要領をチルタリスに教えてくれたらしかった。
そんなわけで、夜遅くなってしまい、ミズカはヘトヘトだった。そもそも、今、あちらの世界では学校にも通っている。体力的にも結構厳しかった。
そのため、ミズカは部屋に戻ると、何も言わずベッドに倒れた。ヒカリが着替えるように話しかけるが彼女は既に夢の中だった。