28章 初のジム戦!
その頃ミズカは、
「チル~」
「そうそう、そこで光を貯めて……」
チルタリスが少しずつゴッドバードを覚え始めていた。しかし、コツを教えてもらったから簡単に覚えられるものでもない。あまり上手くいかない。
チルタリスを見ると疲弊している。身体にエネルギーを溜めて、それを放出させているのだから、体力が保たないだろう。
「よし、後一回やったら、残りは明日にしよう」
チルタリスは頷き、光を溜め始めた。ダメージはないが、ピカチュウのボルテッカーに近いかもしれないな、とミズカは思う。
なぜ、ゴッドバードが必要か。
それは、クロガネジムが岩タイプのジムだからだ。ミズカの手持ちは、エーフィ、チルタリス、サーナイト、バシャーモ、レントラー……。効果抜群を決められるポケモンはチルタリスのみ。鋼の翼がある。
ちなみにミズカは今回、チルタリス、レントラー、エーフィでバトルするつもりだ。チルタリスはバトルに慣れるため、レントラーはバトルの仕方をミズカが身につけるため、そして、二匹のフォローに入ってもらうためにエーフィを入れた。
そんなふうに決まった今回のメンバー。岩タイプに不利なチルタリスには鋼の翼だけの対抗は難しい。大技を覚えてもらおうと考えたのだ。
「――ぬるいな。まだ一回も出来ていないのに練習をやめるのか」
「ぬるい? 何が」
ムッとした表情でミズカは、サトシのライバルであるシンジを見た。実は、先ほどから彼は見ていた。
当然、初対面なのだが、ミズカはアニメで彼を知っている。シンジは強さだけを求めているトレーナーだ。多分、ゴッドバードという技で反応したのだろう。
「ジムじゃ、負ける」
「やってみなきゃわからないじゃん」
「ふっ。お前どっかのトレーナーと同じ考えのようだな」
どっかのトレーナー……、サトシの事だ。
「サトシのこと?」
「知っているのか」
「もちろん。だって兄妹だし。あ、チルタリス有難う」
やたら絡まれるなぁと思いながら、ミズカはチルタリスにお礼を言ってモンスターボールに戻した。
「兄妹か、馬鹿馬鹿しい。兄を持って、それか」
「はい?」
シンジの言っている意味がわからず顔をしかめた。彼にも兄がいるのだろうかと過ぎったが、ミズカは掘り下げる気にはならなかった。
掘り下げたところで質問に答えるタイプでもないだろう。
「まぁいいや……。サトシがヒョウタさんに挑戦した後、あたしが挑戦する。その時、勝つとこ見せてあげる」
「負ける所の間違いだろ。まあいい。見てやるよ。負けるところ」
嫌な奴だな、とミズカは腹が立つが、言い返すことはしなかった。
「精々そうやって楽しみにしてなよ。じゃあね」
ミズカはシンジを横切る。ポケモンセンターに戻ると、サトシ達に、帰ることを告げて、もとの世界へ帰って行った。
あれから一週間後、アニメでジム戦を見ていたミズカはため息をついた。サトシがジム戦に負けてしまったのだ。サトシなら勝てると思っていただけに残念だ。
ミズカは気を取り直して、夜にポケモン世界へと行った。ドアを抜け立っていた所は、クロガネジムの前だった。中からタイミング良く、シンジが出てくる。彼は澄ました表情でミズカを素通りしようとしていた。
「明日、絶対に来てよ」
ミズカが言うと、シンジは少し反応したが行ってしまった。ムッとしながら、遠くなるシンジの背中を見つめていると、後ろから足音がいくつか聞こえてきた。
「チル~」
「そうそう、そこで光を貯めて……」
チルタリスが少しずつゴッドバードを覚え始めていた。しかし、コツを教えてもらったから簡単に覚えられるものでもない。あまり上手くいかない。
チルタリスを見ると疲弊している。身体にエネルギーを溜めて、それを放出させているのだから、体力が保たないだろう。
「よし、後一回やったら、残りは明日にしよう」
チルタリスは頷き、光を溜め始めた。ダメージはないが、ピカチュウのボルテッカーに近いかもしれないな、とミズカは思う。
なぜ、ゴッドバードが必要か。
それは、クロガネジムが岩タイプのジムだからだ。ミズカの手持ちは、エーフィ、チルタリス、サーナイト、バシャーモ、レントラー……。効果抜群を決められるポケモンはチルタリスのみ。鋼の翼がある。
ちなみにミズカは今回、チルタリス、レントラー、エーフィでバトルするつもりだ。チルタリスはバトルに慣れるため、レントラーはバトルの仕方をミズカが身につけるため、そして、二匹のフォローに入ってもらうためにエーフィを入れた。
そんなふうに決まった今回のメンバー。岩タイプに不利なチルタリスには鋼の翼だけの対抗は難しい。大技を覚えてもらおうと考えたのだ。
「――ぬるいな。まだ一回も出来ていないのに練習をやめるのか」
「ぬるい? 何が」
ムッとした表情でミズカは、サトシのライバルであるシンジを見た。実は、先ほどから彼は見ていた。
当然、初対面なのだが、ミズカはアニメで彼を知っている。シンジは強さだけを求めているトレーナーだ。多分、ゴッドバードという技で反応したのだろう。
「ジムじゃ、負ける」
「やってみなきゃわからないじゃん」
「ふっ。お前どっかのトレーナーと同じ考えのようだな」
どっかのトレーナー……、サトシの事だ。
「サトシのこと?」
「知っているのか」
「もちろん。だって兄妹だし。あ、チルタリス有難う」
やたら絡まれるなぁと思いながら、ミズカはチルタリスにお礼を言ってモンスターボールに戻した。
「兄妹か、馬鹿馬鹿しい。兄を持って、それか」
「はい?」
シンジの言っている意味がわからず顔をしかめた。彼にも兄がいるのだろうかと過ぎったが、ミズカは掘り下げる気にはならなかった。
掘り下げたところで質問に答えるタイプでもないだろう。
「まぁいいや……。サトシがヒョウタさんに挑戦した後、あたしが挑戦する。その時、勝つとこ見せてあげる」
「負ける所の間違いだろ。まあいい。見てやるよ。負けるところ」
嫌な奴だな、とミズカは腹が立つが、言い返すことはしなかった。
「精々そうやって楽しみにしてなよ。じゃあね」
ミズカはシンジを横切る。ポケモンセンターに戻ると、サトシ達に、帰ることを告げて、もとの世界へ帰って行った。
あれから一週間後、アニメでジム戦を見ていたミズカはため息をついた。サトシがジム戦に負けてしまったのだ。サトシなら勝てると思っていただけに残念だ。
ミズカは気を取り直して、夜にポケモン世界へと行った。ドアを抜け立っていた所は、クロガネジムの前だった。中からタイミング良く、シンジが出てくる。彼は澄ました表情でミズカを素通りしようとしていた。
「明日、絶対に来てよ」
ミズカが言うと、シンジは少し反応したが行ってしまった。ムッとしながら、遠くなるシンジの背中を見つめていると、後ろから足音がいくつか聞こえてきた。