1章 ポケモン世界へ!?

「なんだよ!! どうしたんだ??」

サトシもピカチュウも訳がわからない。怪訝になってミズカを見る。ミズカはまだ整理がついていない。普段アニメで見ていて、決して存在しない人物だと思っていたら、誰だって整理がつかないだろう。

「どうかしたのか?」

声にならず口をパクパクしていると、サトシの後ろからまた聞き覚えのある声がした。

ひょいと顔を出したのは、サトシと一緒に旅をしているタケシ。もちろんミズカは知っている。いるかもしれないとは過ぎっていたが、本当にいた。

もはや、声にもならない。

そして、ミズカの脳裏にこの二人以外にもう一人の人物が浮かんだ。

「タケシー、水汲んできたわよ!!」

今度はミズカの後ろから活発な声がした。恐る恐るミズカは振り向く、するとミズカの脳裏に浮かんできた人物……、
カスミがそこにいた。カスミもサトシの仲間だ。

ミズカの頭はパニックを起こしていた。

カスミはそんなミズカの気も知らず、水を汲んだバケツを下ろした。

「気がついたのね! ん? どうしたのそんなビックリした顔して……?」

やっとミズカの表情にカスミは気づく。
ミズカは呼吸が止まりそうになるのを、なんとか堪えた。息を整える。そして、彼らに話しかけた。

「サトシに……、カスミに……、タケシ……よね?」

彼女なりに整理したはずなのだが、やっぱりまだ混乱しているようだ。いきなりそんなことを言うのだから、確認された三人が今度はビックリする。
カスミは片手に抱いていたトゲピーを落としそうになり、ピカチュウはサトシの肩から危うく落ちそうになった。

「タケシの名前は今カスミが呼んだからわかるとして……、なんで俺達の名前を知ってるんだ?」

サトシに当然の疑問をぶつけられる。

しかし、ミズカにこの説明は難しいものがあった。それでも理解してもらわないと、話は進まない。なんとかミズカは頑張って口を開いた。

「なんていうか……、その……、あたし、別の世界から来ちゃったみたいなの!」
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