27章 覚悟
「心配したかも!」
ハルカの第一声はこれだった。ミズカは苦笑しながら謝る。
「ううん。ミズカの気持ちは十分わかってるわ。私も本当は行きたかったのに……」
ハルカは残念がる。彼女もミズカの住んでいる世界に一度行ってみたいらしい。
「カスミから誘われたのよ。でも、コンテストだったから行けなかったの……」
「え? コンテスト?」
「そう。明日なんだけど、今回はレベルが高くて……」
「それに、僕もいるしね」
ハルカの隣から、シュウが顔を出してきた。ハルカのライバルである。
「久しぶりだね」
「久しぶり! ……てことは、シュウはもう……」
「知っているよ」
どうやら、シュウはもうミズカとサトシが兄妹である事をハルカから教えてもらったらしい。おそらく父親のことまでは話していないだろうが。そもそもカスミがどこまで話しているのかミズカにはわからなかった。
「そっか」
「ハルカ、すごく心配していたよ。君にもう会えないって嘆いてた……。ヤケ食いするし、手をつけられなくて困ってたんだ」
「いいでしょ!」
シュウの言葉にムッとしたハルカは、彼を睨んだ。ミズカは吹き出す。この二人は相変わらずだ。
「あ、私は、ミズカとサトシが兄妹でも気にしないわ! むしろ、ちょっとしっくり来ちゃったというか……」
「しっくり……」
「他人にしては似すぎてたっことかも」
そう言われて、ミズカは苦笑する。確かに何度も似ていると言われている。とくにカスミにはしょっちゅう言われていた。ミズカとしても家族みたいだと思ったことは何回かある。
サトシと仲直りした今、その気持ちはもっと強くなった。兄かどうかは置いといて、家族として見ている自分がいる。
「そうそう、マサトにはまだ言ってないの。まだ言うのは早いと思って……」
「あ、そうなの? 別に言っても良かったけど……。でもなぁ……」
しかし、難しい。まだこの問題は、しっかりと解決していない。そもそも、サトシとは関係をどうするかは有耶無耶にしたままだ。
サトシがまだ混乱しているからか、ミズカも出方に迷っている。そんな中途半端でマサトに話してもちゃんと伝わらない気がする。
「あたしが大丈夫だと思ったら言うかも! お父さんのこともあるんでしょう?」
「あ、そこまで聞いてるんだ。でも……、マサト、怒らないかな……」
そこも気になるところだ。後から言えば、マサトは、なんで教えてくれなかったんだ、と怒るだろう。
「この問題が解決したら、って言うのはどうだい?」
「それでいっか。マサトが怒ったら、謝ればいいもんね」
「かもかも」
シュウに言われ、ミズカとハルカは納得した。それが一番いいだろう。
「心配かけてごめんね。それじゃ、コンテストの練習もあるだろうし、この辺で!」
「えぇ。ミズカ、くれぐれも無茶はしないでね。こういう時はいつも無茶するから……」
「わかってるって」
「わかってないかも」
腕を組んで怒るハルカにミズカは苦笑した。ハルカはため息をつく。
ハルカの第一声はこれだった。ミズカは苦笑しながら謝る。
「ううん。ミズカの気持ちは十分わかってるわ。私も本当は行きたかったのに……」
ハルカは残念がる。彼女もミズカの住んでいる世界に一度行ってみたいらしい。
「カスミから誘われたのよ。でも、コンテストだったから行けなかったの……」
「え? コンテスト?」
「そう。明日なんだけど、今回はレベルが高くて……」
「それに、僕もいるしね」
ハルカの隣から、シュウが顔を出してきた。ハルカのライバルである。
「久しぶりだね」
「久しぶり! ……てことは、シュウはもう……」
「知っているよ」
どうやら、シュウはもうミズカとサトシが兄妹である事をハルカから教えてもらったらしい。おそらく父親のことまでは話していないだろうが。そもそもカスミがどこまで話しているのかミズカにはわからなかった。
「そっか」
「ハルカ、すごく心配していたよ。君にもう会えないって嘆いてた……。ヤケ食いするし、手をつけられなくて困ってたんだ」
「いいでしょ!」
シュウの言葉にムッとしたハルカは、彼を睨んだ。ミズカは吹き出す。この二人は相変わらずだ。
「あ、私は、ミズカとサトシが兄妹でも気にしないわ! むしろ、ちょっとしっくり来ちゃったというか……」
「しっくり……」
「他人にしては似すぎてたっことかも」
そう言われて、ミズカは苦笑する。確かに何度も似ていると言われている。とくにカスミにはしょっちゅう言われていた。ミズカとしても家族みたいだと思ったことは何回かある。
サトシと仲直りした今、その気持ちはもっと強くなった。兄かどうかは置いといて、家族として見ている自分がいる。
「そうそう、マサトにはまだ言ってないの。まだ言うのは早いと思って……」
「あ、そうなの? 別に言っても良かったけど……。でもなぁ……」
しかし、難しい。まだこの問題は、しっかりと解決していない。そもそも、サトシとは関係をどうするかは有耶無耶にしたままだ。
サトシがまだ混乱しているからか、ミズカも出方に迷っている。そんな中途半端でマサトに話してもちゃんと伝わらない気がする。
「あたしが大丈夫だと思ったら言うかも! お父さんのこともあるんでしょう?」
「あ、そこまで聞いてるんだ。でも……、マサト、怒らないかな……」
そこも気になるところだ。後から言えば、マサトは、なんで教えてくれなかったんだ、と怒るだろう。
「この問題が解決したら、って言うのはどうだい?」
「それでいっか。マサトが怒ったら、謝ればいいもんね」
「かもかも」
シュウに言われ、ミズカとハルカは納得した。それが一番いいだろう。
「心配かけてごめんね。それじゃ、コンテストの練習もあるだろうし、この辺で!」
「えぇ。ミズカ、くれぐれも無茶はしないでね。こういう時はいつも無茶するから……」
「わかってるって」
「わかってないかも」
腕を組んで怒るハルカにミズカは苦笑した。ハルカはため息をつく。