前にも一度そんな事があった。あの時は強さばっかりを見ていてただそれだけだったのを思い出す。今は、自分の弱さはよく理解してるつもりだ。エーフィが無事というだけ凄く安心している。

「エーフィはどうだったんだ？」

サトシに聞かれ、ミズカはニッと笑った。

「もう大丈夫だって！」
「ホントか？　良かったな」

嬉しそうに頷きながら、床に座ろうとする。が、いきなりそれを止めて立ち上がった。

「どうした？」
「あたし、ハルカとマサトに連絡してない！！」

タケシの質問にそう答えた。

「え……。まだ連絡してなかったのか？」

サトシとタケシは驚いた表情でミズカを見た。彼女は苦笑する。

「れ、連絡してくる！」

安心したから思い出したのだろう。部屋を飛び出して行った。忙しい。

「あ、俺もちょっと連絡する所があるんだ」

ミズカの後に続いて、サトシも出て行った。いよいよオーキドに話を聞く必要がある。サトシはそう思っていた。

「ごめん！　それで連絡し忘れてたの」
「いいよ。ミズカ、ポケモンになると一直線だもんね。エーフィが無事で良かったよ」

マサトの言葉にミズカは苦笑した。トウカジムに電話し、マサトと話している。その後に、ハルカへ連絡するつもりだ。

「そういうことだから……。ホントは二人と会いたかったんだけどね」
「しょうがないじゃん。もし今度会ったら、新しくゲットしたポケモン見せてね！」
「うん、わかった！」

その後、マサトからハルカがたまたまジョウトのどこかポケモンセンターにいることを教えてもらい連絡した。

「平気、実は最近カスミから聞いたの」
「え、そうなの？」
「えぇ。カスミなら知ってると思って……」

ハルカは既にカスミから聞いていたらしい。

「なるほど……」
「それで連絡来ないって言ったら、『ミズカの事だから忘れてるんでしょ』って言ってたかも」
「本人に聞くよりカスミに聞いた方が正しいよな」

ミズカの後ろから出てきたのはサトシである。

「サトシかも！」
「てか、それどういう意味？」

ミズカのツッコミにサトシは苦笑で誤魔化した。彼女はそれを見てため息をつく。

「とにかく、ミズカもエーフィも無事で良かったわ。無理しないようにね！」
「うん。そっちもコンテスト頑張って！」

ハルカとの電話が切れた。ミズカは暗くなった画面からサトシに目線を移す。