25章 突きつけられる真実

「じゃあ、俺達も一緒に探す」

サトシの柔らかい声が後ろから響く。やっぱり、そう来たかと思った。断ろうとするが、前方からヒカリとタケシがひょっこり顔を出してきた。

「いいよな。二人とも」

タケシはサトシから事情を聞いていた。そんなタケシは、ヒカリに今のミズカの状況を教えていたのだ。ミズカは目をパチクリさせる。

「ヒカリ……、タケシ……」
「あたし、ミズカとさっき会ったばかりだけど、エーフィ探すの手伝わせて」
「一人じゃ、父親に会うのは辛いだろう」

二人の言葉にミズカは顔を歪めた。全く関係ない二人が手伝ってくれる。ピカチュウがミズカの肩をポンポン叩く。サトシはミズカの背中を押した。サトシを見ると、断るなよという顔だ。

「ありがとう」

3人とピカチュウに感謝する。ミズカは胸に込み上げてくるものを感じた。

「よし、それじゃ昼食をさっさと食べて探しに行こうぜ!」
「うん!」

こうして、ミズカ達は昼食を食べた。

食べ終わると、そそくさと支度を済ませた。どこを目指せば良いかもわからないので、とりあえずはコトブキシティを目指す。

今は森の中を歩いていた。

「そういえばさ……。ミズカ、もとの世界はどうなんだよ?」
「……何が?」

サトシに聞かれるが、ミズカはわけがわからず首を傾げた。

「部活とかで早く帰らなくちゃいけないんじゃないのか?」

ミズカは決まり悪そうな表情を見せた。サトシ達にはまだもとの世界での自分の状況を話していない。

当然、サトシは帰らなくていいのかと思うはずである。

「どういうこと?」

そんな中、一人ついていけないヒカリはタケシに聞いた。

「そうか、ヒカリは知らないな」

タケシの言葉にヒカリは頷く。さっき会ったばかりだ。知るはずがない。ミズカはため息を飲み込む。自分の状況が情けないが、ここは言うしかない。

「簡単に言うと……、あたしはイジメに遭ってて、そのあとは色んな事があって、不登校になっちゃいましたって話」

簡単に言い過ぎだ。まずヒカリには内容が伝わらないだろう。そして、そのついでにサトシの質問にも答えた。

「そうそう、イジメにあって……不登校になったんだよな……。不登校……?」

サトシとタケシは顔を見合わせ立ち止まった。ミズカはスタスタ歩いて行く。ヒカリはなんのことかわからず、首を傾げる。
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