24章 攫われたエーフィ
「久しぶりだな……」
ミズカは、港町トネリコタウンにいた。サトシやハルカ達の動向が知りたくて、もとの世界ではアニメを録画していた。自分の部屋だから、何を録画しているか知られることもない。
だから、ミズカはポケモン世界に行かないまでも、現在の二人の動向を知っている。相変わらず体調は戻らないし、悪化しているが、それでもミズカは今日来ないと後悔すると思っていた。
ちょうどサトシもハルカも自分の挑戦が終わっていた。ハルカがグランドフェスティバルでベスト4、ジョウト地方に行くことを考えているというらしい。サトシもバトルフロンティアを制覇した後だった。
サトシとハルカは、トネリコタウンの非公式のポケモンコンテストに出場している。おそらく、時空間が開いてくれたことを考えると、今はコンテストがちょうど終わった頃のはずだ。
今日でハルカ達とはお別れになる。
「もう少し、ハルカ達と旅したかったな……」
色んな事情が重なり、時々しかこの世界に来れなかったことを悔いた。しかし、そんな悔いてても仕方ない。
ミズカはサトシ達に会うべく、コンテスト会場へと向かう。
偶々、ひと気のないところを通っていたときだった。刹那、彼女は急に誰かに後頭部を殴られた。あまりにも衝撃が大きく、ミズカはその場に倒れ、気絶してしまった。
「……ん? いっつ……」
しばらくして、ミズカは目を覚ました。かなり強く殴られたのだろう。頭がガンガンとする。意識も朦朧としていた。
殴った人の顔を見たはずなのだが、はっきりと思い出せない。男性だったということは覚えている。
とりあえず、助けを求めに行かなければと、ノソッと立ち上がる。頭を強く殴られたからか、立ちくらみがした。
――こんな所で倒れたらまずい……。
ここはひと気がない場所。倒れたら、いつ見つかるかわからない。ミズカは何かあったら、人を呼んできてもらおうとエーフィのモンスターボールに手をかけた。
「……あれ?」
たしかに、いつもの場所にモンスターボールはあった。しかし、何か違和感を感じる。少し不審に思いながらも、ボールのボタンを押してエーフィを……出せなかった。ボールは開いているのだが、その中にいるはずのエーフィがいなかった。
ミズカの顔は次第に青ざめて行く。
「……うそ」
今の状況が掴めない。他のボールにも手をかけてみた。エーフィのように違和感は感じない。どうやら、エーフィだけがいないらしい。ということは、彼女を殴った男性がエーフィを盗んで行ったことになる。
力が抜け、その場にへたり込んだ。頭が真っ白になる。エーフィがいない? 本当に? そんな風に思うが、空のモンスターボールが現実を突きつけてきた。
ミズカは、港町トネリコタウンにいた。サトシやハルカ達の動向が知りたくて、もとの世界ではアニメを録画していた。自分の部屋だから、何を録画しているか知られることもない。
だから、ミズカはポケモン世界に行かないまでも、現在の二人の動向を知っている。相変わらず体調は戻らないし、悪化しているが、それでもミズカは今日来ないと後悔すると思っていた。
ちょうどサトシもハルカも自分の挑戦が終わっていた。ハルカがグランドフェスティバルでベスト4、ジョウト地方に行くことを考えているというらしい。サトシもバトルフロンティアを制覇した後だった。
サトシとハルカは、トネリコタウンの非公式のポケモンコンテストに出場している。おそらく、時空間が開いてくれたことを考えると、今はコンテストがちょうど終わった頃のはずだ。
今日でハルカ達とはお別れになる。
「もう少し、ハルカ達と旅したかったな……」
色んな事情が重なり、時々しかこの世界に来れなかったことを悔いた。しかし、そんな悔いてても仕方ない。
ミズカはサトシ達に会うべく、コンテスト会場へと向かう。
偶々、ひと気のないところを通っていたときだった。刹那、彼女は急に誰かに後頭部を殴られた。あまりにも衝撃が大きく、ミズカはその場に倒れ、気絶してしまった。
「……ん? いっつ……」
しばらくして、ミズカは目を覚ました。かなり強く殴られたのだろう。頭がガンガンとする。意識も朦朧としていた。
殴った人の顔を見たはずなのだが、はっきりと思い出せない。男性だったということは覚えている。
とりあえず、助けを求めに行かなければと、ノソッと立ち上がる。頭を強く殴られたからか、立ちくらみがした。
――こんな所で倒れたらまずい……。
ここはひと気がない場所。倒れたら、いつ見つかるかわからない。ミズカは何かあったら、人を呼んできてもらおうとエーフィのモンスターボールに手をかけた。
「……あれ?」
たしかに、いつもの場所にモンスターボールはあった。しかし、何か違和感を感じる。少し不審に思いながらも、ボールのボタンを押してエーフィを……出せなかった。ボールは開いているのだが、その中にいるはずのエーフィがいなかった。
ミズカの顔は次第に青ざめて行く。
「……うそ」
今の状況が掴めない。他のボールにも手をかけてみた。エーフィのように違和感は感じない。どうやら、エーフィだけがいないらしい。ということは、彼女を殴った男性がエーフィを盗んで行ったことになる。
力が抜け、その場にへたり込んだ。頭が真っ白になる。エーフィがいない? 本当に? そんな風に思うが、空のモンスターボールが現実を突きつけてきた。