24章 攫われたエーフィ

「中心になって盛り上げられる奴を考えよう」

なんだそれ。ミズカはやるせなくなる。せめて、テニス部全員が生徒会の立候補は禁止だと言ってくれれば良いのにとミズカは思う。あまりにも不公平だ。とはいえ、キラキラと輝いている先輩を見て、出ないでくださいとは言えない。

「じゃあ――」

そうやって挙げていったのは、立候補する先輩と仲の良い先輩たち。息が詰まりそうなのを感じながら、聞いていると最後に「ミズカ」と自分の名前が挙がった。

はっとミズカは顔を上げる。

「お前、盛り上げるの得意だろ?」

ミズカは言葉に詰まって、何も返せなかった。息が詰まる。こんな理不尽なことってあるのだろうかと、ミズカは泣きそうになった。

けれども、その場の空気を壊すわけにはいかない。

ミズカは無理矢理にニコリと笑い、「はい」と返事をした。ミズカの中で確実に何かが壊れる音がした。

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