3章 チコリータ、ゲットだぜ!
「サトシ達に会う前に、ポケモン捕まえに行こう!」
ミズカは気合を入れる。モンスターボールからイーブイが出す。テレビで何回も見ているはずなのに、小さいポケットサイズのボールから生き物が出てくるのは不思議なものがあった。
イーブイは目をパチパチさせると、ミズカを見上げた。
「オーキド博士からモンスターボール貰ったから、ポケモンゲットしに行こう!」
イーブイに空のモンスターボールを見せる。イーブイは口角を上げて、飛び跳ねた。どうやら一緒に頑張ってくれるらしい。
イーブイと森の中を進む。さあ、ゲットと気合を入れて取り組むものの、上手くはいかなかった。ポッポを逃がし、イトマルを逃がし……。とにかく、何匹もポケモンを逃がしてしまった。
ポケモンバトルは上手く出来ていたのに、ゲットは下手クソらしい。それを知り、ミズカは少し落ち込む。
息切れをしているイーブイを見つめる。
「イーブイ疲れたよね……。諦めてサトシ達に会いに行こう……」
ミズカは、疲れてしまったイーブイをモンスターボールに戻すと、どこにいるのかわからないサトシ達を探し始めた。
この森にいるのか。それとも、どこか違う場所にいるのか。それはわからないが、目的がないから、とりあえず探し回る。しかし、確か来る前に目的の場所をサトシ達のいる場所と指定したはずだ。手鏡が聞いてくれていれば、そう遠くない場所にいるはずだった。
歩いていると、バタッと何かが倒れた音が聞こえた。直ぐ側の草が揺れる。ミズカは好奇心で一歩一歩近づいた。恐る恐る草木を掻き分ける。ミズカは目の前にいるポケモンに目を見開いた。
そこには、傷だらけで気を失ったチコリータが倒れていた。
ーー助けなきゃ!
ミズカは、急いでチコリータを抱き上げて走る。どこにいるかわからないサトシ達を探し始めた。なんでもいい。森を抜けて町があればポケモンセンターでも構わなかった。
はたと立ち止まる。ここの場所がわからない。ミズカは心を落ち着かせる。まず必要なのは自分の現在地だ。リュックから地図を取り出す。地図を広げる。コンパスを出す。辛うじて、磁石が北を指すのだけは知っている。こないだの学校の授業で、磁石の取り扱いの話で方位磁針の話をされた記憶がある。
「どこかわかんない……」
ミズカは地図をぎゅっと掴む。端がしわくちゃになった。リュックの中を探しても、ポケモンが回復できそうな薬はない。
森の中をサバイバルする知識はミズカにはない。木の実が成っていても、食べさせて大丈夫なのかもわからない。北を目指せば、どこか街にたどり着くだろうか。闇雲に探すよりはずっと良いはずだ。
そう結論して、グッと歯を食いしばる。辛いのはチコリータだ。自分が狼狽えている場合ではない。地図をしまって、リュックを背負い、チコリータを再び抱えると、後ろから「ミズカ?」と声がした。
振り向くと、サトシ達がいる。ミズカは半ば泣きそうになった。
「よかった……」
泣きそうに顔を歪めたミズカをサトシ達は見つめる。傷だらけのチコリータがミズカの腕の中で眠っているのに気がついた。
真っ先に反応したのはタケシだ。タケシはすぐにチコリータの傷の具合を確認した。
ミズカは気合を入れる。モンスターボールからイーブイが出す。テレビで何回も見ているはずなのに、小さいポケットサイズのボールから生き物が出てくるのは不思議なものがあった。
イーブイは目をパチパチさせると、ミズカを見上げた。
「オーキド博士からモンスターボール貰ったから、ポケモンゲットしに行こう!」
イーブイに空のモンスターボールを見せる。イーブイは口角を上げて、飛び跳ねた。どうやら一緒に頑張ってくれるらしい。
イーブイと森の中を進む。さあ、ゲットと気合を入れて取り組むものの、上手くはいかなかった。ポッポを逃がし、イトマルを逃がし……。とにかく、何匹もポケモンを逃がしてしまった。
ポケモンバトルは上手く出来ていたのに、ゲットは下手クソらしい。それを知り、ミズカは少し落ち込む。
息切れをしているイーブイを見つめる。
「イーブイ疲れたよね……。諦めてサトシ達に会いに行こう……」
ミズカは、疲れてしまったイーブイをモンスターボールに戻すと、どこにいるのかわからないサトシ達を探し始めた。
この森にいるのか。それとも、どこか違う場所にいるのか。それはわからないが、目的がないから、とりあえず探し回る。しかし、確か来る前に目的の場所をサトシ達のいる場所と指定したはずだ。手鏡が聞いてくれていれば、そう遠くない場所にいるはずだった。
歩いていると、バタッと何かが倒れた音が聞こえた。直ぐ側の草が揺れる。ミズカは好奇心で一歩一歩近づいた。恐る恐る草木を掻き分ける。ミズカは目の前にいるポケモンに目を見開いた。
そこには、傷だらけで気を失ったチコリータが倒れていた。
ーー助けなきゃ!
ミズカは、急いでチコリータを抱き上げて走る。どこにいるかわからないサトシ達を探し始めた。なんでもいい。森を抜けて町があればポケモンセンターでも構わなかった。
はたと立ち止まる。ここの場所がわからない。ミズカは心を落ち着かせる。まず必要なのは自分の現在地だ。リュックから地図を取り出す。地図を広げる。コンパスを出す。辛うじて、磁石が北を指すのだけは知っている。こないだの学校の授業で、磁石の取り扱いの話で方位磁針の話をされた記憶がある。
「どこかわかんない……」
ミズカは地図をぎゅっと掴む。端がしわくちゃになった。リュックの中を探しても、ポケモンが回復できそうな薬はない。
森の中をサバイバルする知識はミズカにはない。木の実が成っていても、食べさせて大丈夫なのかもわからない。北を目指せば、どこか街にたどり着くだろうか。闇雲に探すよりはずっと良いはずだ。
そう結論して、グッと歯を食いしばる。辛いのはチコリータだ。自分が狼狽えている場合ではない。地図をしまって、リュックを背負い、チコリータを再び抱えると、後ろから「ミズカ?」と声がした。
振り向くと、サトシ達がいる。ミズカは半ば泣きそうになった。
「よかった……」
泣きそうに顔を歪めたミズカをサトシ達は見つめる。傷だらけのチコリータがミズカの腕の中で眠っているのに気がついた。
真っ先に反応したのはタケシだ。タケシはすぐにチコリータの傷の具合を確認した。