22章 キルリア、怖がり克服中の混乱!
「もとの世界の人? それともこの世界の人?」
「……だからいないって」
「ミズカ、嘘なのわかるかも」
そこまで言われ、顔を覗かれてしまい、ミズカは顔が真っ赤になるのがわかった。もう嘘は吐けない。
「ハルカの知らない人」
ボソリと言う。ハルカは楽しそうだ。実際にハルカがシゲルを知らないかはわからない。もしかしたら、サトシから聞いているかもしれないが、話してもわからないだろうと口を開く。
「どんな人なの?」
「うーん……。あたしのことを嫌いな人かな」
「……え?」
「でも、それを隠してくれて、気遣いができる人。努力も怠らないし……」
ハルカは目をパチクリさせる。
「えっと、それは……」
「ごめん。だから、恋バナは全然しないんだ。……だって、こんな恋、虚しいだけでしょ?」
それでもハルカに話したのは、夢のことで頭がいっぱいで溢れ出しそうだったから。
「……本当に嫌われてるの?」
「昔はね。今はわからないけど。ずいぶん会ってないし。今どこで何してるかもわからない」
「……でも好きなの?」
「うん」
困った表情で笑うミズカに、ハルカは戸惑う。まさか、こんなネガティブな話になるとは思っていなかった。ミズカの好きな人の顔も見たことないのでは、下手なことも言えない。しかし、一つだけ言えることがある。
「ミズカにはミズカの良いところがあるわ。ミズカを大切に思ってくれる人が必ずいるかも!」
「ありがとう」
そう言ってくれるハルカにミズカは少し救われた気がした。そもそも、ミズカもなぜ好きなのかはよくわからない。会ってじっくり話してみたいのに話せないことが、そうしているのかもしれない。もしくは、自分とは全然違うから惹かれているのかもしれない。
どちらにしろ、ミズカだって、もし今も嫌われているなら諦めた方が良いとは思っている。ましてや、この世界に来た理由があるなら尚更だ。
理由があるということは解決したら、ミズカはポケモン世界から離れなければいけないことを、なんとなく察し始めていた。だったら、仮にこの恋は叶ったところで終わりが見えている。
研究者になった彼の動向は知らない。知らないままが良いのかもしれない。
「……だからいないって」
「ミズカ、嘘なのわかるかも」
そこまで言われ、顔を覗かれてしまい、ミズカは顔が真っ赤になるのがわかった。もう嘘は吐けない。
「ハルカの知らない人」
ボソリと言う。ハルカは楽しそうだ。実際にハルカがシゲルを知らないかはわからない。もしかしたら、サトシから聞いているかもしれないが、話してもわからないだろうと口を開く。
「どんな人なの?」
「うーん……。あたしのことを嫌いな人かな」
「……え?」
「でも、それを隠してくれて、気遣いができる人。努力も怠らないし……」
ハルカは目をパチクリさせる。
「えっと、それは……」
「ごめん。だから、恋バナは全然しないんだ。……だって、こんな恋、虚しいだけでしょ?」
それでもハルカに話したのは、夢のことで頭がいっぱいで溢れ出しそうだったから。
「……本当に嫌われてるの?」
「昔はね。今はわからないけど。ずいぶん会ってないし。今どこで何してるかもわからない」
「……でも好きなの?」
「うん」
困った表情で笑うミズカに、ハルカは戸惑う。まさか、こんなネガティブな話になるとは思っていなかった。ミズカの好きな人の顔も見たことないのでは、下手なことも言えない。しかし、一つだけ言えることがある。
「ミズカにはミズカの良いところがあるわ。ミズカを大切に思ってくれる人が必ずいるかも!」
「ありがとう」
そう言ってくれるハルカにミズカは少し救われた気がした。そもそも、ミズカもなぜ好きなのかはよくわからない。会ってじっくり話してみたいのに話せないことが、そうしているのかもしれない。もしくは、自分とは全然違うから惹かれているのかもしれない。
どちらにしろ、ミズカだって、もし今も嫌われているなら諦めた方が良いとは思っている。ましてや、この世界に来た理由があるなら尚更だ。
理由があるということは解決したら、ミズカはポケモン世界から離れなければいけないことを、なんとなく察し始めていた。だったら、仮にこの恋は叶ったところで終わりが見えている。
研究者になった彼の動向は知らない。知らないままが良いのかもしれない。