22章 キルリア、怖がり克服中の混乱!

「もしかして……、キルリア?」

ミズカは、サーナイトに話しかけた。サーナイトは、頷き微笑む。

「そっか、進化したんだ! すごいよ、サーナイト!!」
「ミズカ、喜んでる場合じゃないよ。リングマ達をなんとかしなきゃ……」

キルリアがサーナイトに進化して、大喜びのミズカに、マサトは呆れた表情で、リングマ達を指した。

「たしかに……。……サトシ、はい。その中に、傷薬入ってるから、ピカチュウを治してあげて!」

ミズカは、サトシに自分のリュックを渡した。オーキドがいつも入れてくれているのだ。

「わかった」
「サーナイト、バトル出来る?」

ミズカの言葉に、サーナイトは頷く。それを聞いて、ミズカは、ニッと笑った。

「よし、まずは、リングマ達に念力!!」

念力を指示して気づく。この威力は念力ではない。サイコキネシスだ。進化したことでサイコキネシスが出来るようになったらしい。進化前とは比べ、すごい変わりようである。

ミズカは少し呆気にとられたが、すぐに気を取り直した。

「そのまま、地面に叩きつけて!」
「サー!」
「続いて、マジカルリーフ!」
「サー!!」

リングマ達は、ピカチュウと戦ったときのダメージもあったのか。サーナイトとミズカの連携に勝てないことを悟り、逃げ出して行った。ミズカは、ホッとした表情を見せた。

サーナイトがくるりとミズカに顔を向けた。ミズカは大きく頷く。キルリアは見事に進化で、自分の怖がりを克服した。サーナイトは嬉しくなって、ミズカに抱きつく。ミズカは背伸びをしながら、サーナイトの頭を撫でた。

ついさっきまで、ミズカの顔は自分より上にあった。今は、ミズカの方が小さい。サーナイトは身体が大きくなった自分が少し誇らしかった。
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