22章 キルリア、怖がり克服中の混乱!
「キルリア~!! どこにいるの~」
「ピカチュウ~!! いたら返事してくれ~!」
大声を出して探すミズカとサトシ。マサトも木の合間をみたり、後ろを見たりして探していた。ミズカは、急に立ち止まって耳を傾ける。
「いたか?」
「いや……、いたかどうかはわからないけど……。この奥から、物音がする」
木々の間を指差しながらミズカが言うと、サトシとマサトも耳を傾けた。たしかに、バンだの、ドンだの音がする。
「行ってみようよ」
ミズカが言うと、二人は頷き、三人は奥へと進んで行った。
「ピッカ……」
ピカチュウはリングマ5体を前に、限界を超えていた。ハアハアと息を切らして、なんとか立っている状態。しかし、キルリアを守らなければと庇うようにリングマの前に立っていた。
キルリアは心配な表情で傷ついたピカチュウを見つめる。
『キルリア! 逃げちゃダメ!』
キルリアの脳裏にいつかミズカに言われた言葉を思い出す。を
「ピーカヂューウ!」
ピカチュウはリングマ達に10万ボルトを放とうとした。しかし、スタミナも尽きたようで、ただ、自分の辺りに電気がウヨウヨするだけだった。
「ピカ……」
ピカチュウは倒れた。
キルリアは今にも泣きそうな表情でリングマを見る。リングマ達は、敵視している様子で、ピカチュウしか目に入っていない。そして、それぞれ、口に光のようなものを溜め始めた。それは他でもない破壊光線だ。容赦がない。
「ピカピカ」
ピカチュウは、キルリアに逃げろと言う。キルリアは首を横に振った。
『キルリア! 逃げちゃダメ!』
ミズカの声が頭に響く。ピカチュウは自分が足を竦ませたから頑張ってくれた。ピカチュウに無理をさせておいて、逃げるなんてできない。どうすればいいかなんて、とっくにわかっている。
「キ……ル……」
キルリアは、泣きながらピカチュウの前へ立つ。ピカチュウを守ろうと思った。しかし、こんな小さな体ではとても五匹分の破壊光線を受け止められそうになかった。
このままでは、ピカチュウまで巻き込まれてしまう。もっと体が大きければ、壁になれるのに。ピカチュウを抱えて躱すことも出来るのに。
キルリアは、生まれて初めて本当に強さを欲した。もう時間はない。いや、間に合わなくても何とかする。自分が盾になってでも。
「キル……」
その時、キルリアの体に異変が起こった。その瞬間、リングマ達は破壊光線を放ち、キルリアにぶつける。激しい光に包まれ、ピカチュウは目を瞑った。
「ピカピカ~!」
逃げろと、ピカチュウは叫ぶ。しかし、気づいた。ピカチュウは破壊光線に巻き込まれていない。ピカチュウは恐る恐る目を開けた。
目の前には、煙を纏ったキルリア……。いや、サーナイトが立っていた。進化の光でたまたま破壊光線を弾いたらしかった。サーナイトは無傷だ。
「キルリア!!」
そこへ、やっと二匹を見つけたミズカ達が合流した。しかし、ミズカ達からは煙がすごくてよく見えない。煙が薄くなって現れたのは、ボロボロになったピカチュウと煙を纏ったサーナイトだった。ミズカ達は驚く。
「ピカチュウ~!! いたら返事してくれ~!」
大声を出して探すミズカとサトシ。マサトも木の合間をみたり、後ろを見たりして探していた。ミズカは、急に立ち止まって耳を傾ける。
「いたか?」
「いや……、いたかどうかはわからないけど……。この奥から、物音がする」
木々の間を指差しながらミズカが言うと、サトシとマサトも耳を傾けた。たしかに、バンだの、ドンだの音がする。
「行ってみようよ」
ミズカが言うと、二人は頷き、三人は奥へと進んで行った。
「ピッカ……」
ピカチュウはリングマ5体を前に、限界を超えていた。ハアハアと息を切らして、なんとか立っている状態。しかし、キルリアを守らなければと庇うようにリングマの前に立っていた。
キルリアは心配な表情で傷ついたピカチュウを見つめる。
『キルリア! 逃げちゃダメ!』
キルリアの脳裏にいつかミズカに言われた言葉を思い出す。を
「ピーカヂューウ!」
ピカチュウはリングマ達に10万ボルトを放とうとした。しかし、スタミナも尽きたようで、ただ、自分の辺りに電気がウヨウヨするだけだった。
「ピカ……」
ピカチュウは倒れた。
キルリアは今にも泣きそうな表情でリングマを見る。リングマ達は、敵視している様子で、ピカチュウしか目に入っていない。そして、それぞれ、口に光のようなものを溜め始めた。それは他でもない破壊光線だ。容赦がない。
「ピカピカ」
ピカチュウは、キルリアに逃げろと言う。キルリアは首を横に振った。
『キルリア! 逃げちゃダメ!』
ミズカの声が頭に響く。ピカチュウは自分が足を竦ませたから頑張ってくれた。ピカチュウに無理をさせておいて、逃げるなんてできない。どうすればいいかなんて、とっくにわかっている。
「キ……ル……」
キルリアは、泣きながらピカチュウの前へ立つ。ピカチュウを守ろうと思った。しかし、こんな小さな体ではとても五匹分の破壊光線を受け止められそうになかった。
このままでは、ピカチュウまで巻き込まれてしまう。もっと体が大きければ、壁になれるのに。ピカチュウを抱えて躱すことも出来るのに。
キルリアは、生まれて初めて本当に強さを欲した。もう時間はない。いや、間に合わなくても何とかする。自分が盾になってでも。
「キル……」
その時、キルリアの体に異変が起こった。その瞬間、リングマ達は破壊光線を放ち、キルリアにぶつける。激しい光に包まれ、ピカチュウは目を瞑った。
「ピカピカ~!」
逃げろと、ピカチュウは叫ぶ。しかし、気づいた。ピカチュウは破壊光線に巻き込まれていない。ピカチュウは恐る恐る目を開けた。
目の前には、煙を纏ったキルリア……。いや、サーナイトが立っていた。進化の光でたまたま破壊光線を弾いたらしかった。サーナイトは無傷だ。
「キルリア!!」
そこへ、やっと二匹を見つけたミズカ達が合流した。しかし、ミズカ達からは煙がすごくてよく見えない。煙が薄くなって現れたのは、ボロボロになったピカチュウと煙を纏ったサーナイトだった。ミズカ達は驚く。