22章 キルリア、怖がり克服中の混乱!

「ピカ……」
「キルキル……」

その頃、ピカチュウとキルリアは路頭に迷っていた。いきなりミズカが走って行ってしまい、キルリアは不安になったようで、追いかけてしまったのだ。ピカチュウもすかさずキルリアを追いかけたが、肝心のミズカが見つからない。

ピカチュウは辺りを見回すが、さっきまで一緒にいたマサト達の姿もなく、キルリアと二人だけになっていた。キルリアはというと、ピカチュウに引っ付いたまま離れない。

「ピカピカ」

大丈夫だよと、ピカチュウはキルリアの肩をぽんぽんと叩く。

「キル……」

しかし、キルリアの表情は強張ったままだ。ピカチュウはどうしたものかと困った表情を見せた。その時だった。二匹の目の前に、リングマが現れた。しかも、5体もだ。

「ピカ……」

思わず一歩下がるピカチュウ。さすがにピカチュウとこれだけを相手にするのは無謀なことがわかる。しかし、逃げようにも、キルリアは恐くて動けなくなっていた。手を引っ張っても、キルリアは首を横に振る。

手が震えている。足が竦んでしまっているようだ。キルリアを見て、ピカチュウは、リングマ5体を相手にバトルする決意をした。


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