2章 ポケモン達を救え!?

「わかった……。やってみる……」

ミズカはため息混じりに頷いた。

「鏡! もとの世界に帰らして!!」

ミズカが鏡に話しかける。すると、鏡の部分が光りだした。

――もしかして……、本当に……。

驚きつつ、ミズカは手鏡の裏にあるボタンを押した。すると、正面からドアが出てきた。まさか、こんな簡単だったとは……。開いた口が塞がらない。

「マジかよ……」

馬鹿にしてたサトシも、かなり驚いた表情で言った。

「どうやら、カスミの言ったとおりだったみたいだな」

サトシに続きタケシも言う。カスミは「ほらね」とドヤ顔だった。これでようやく帰れる。ミズカは安堵した。

「みんな。ありがとね!」

ミズカはお辞儀した。すると、足元にいるイーブイが目に入った。

「でも……」

一つだけミズカには気がかりな事があった。

「どうしたんだ?」

サトシが聞く。

「イーブイどうしよう……」

ミズカはそれが心配だった。

「大丈夫さ、イーブイの事はオーキド博士に聞いとくから」

タケシはミズカを安心させるように言った。ミズカは頷くと、イーブイにもお礼を言い、モンスターボールに戻した。そして、最初と同じ格好がいいだろうと、リュックを背負う。

「本当にありがとう。それじゃあ……!」

ミズカはゆっくりとドアを開ける。ドアの向こうには光しか見えなかった。

「また来てよね!」
「待ってるからな!」

カスミとサトシは手を振る。ミズカは「うん!」と笑顔で頷いて手を振り返すと、ドアの向こうへ消えていった。

「う……。ん?」

ミズカが気がつくと、そこは自分の家の布団の上だった。時計を見ると夜十二時である。服はパジャマに戻っていた。

ミズカは立ち上がって、家にある電話機を覗く。日付は、ポケモン世界に飛ばされた日のままだった。ということは、全然時間が過ぎていない。

「夢……?」

ミズカは夢かと疑う。ポケモン世界での話は自分の夢であったのではないか、と。しかし、ポケモン世界での出来事が現実であったことはすぐにわかった。

「これは……、手鏡……」

ミズカは手鏡を握り締めていたことに気がついた。もちろん、家にはなかった代物だ。ポケモン世界ともとの世界を結びつける不思議な手鏡。自然と笑みが溢れた。

「夢じゃなかったんだ! あたしはポケモンの世界に行ってたんだ!」

口角を上げた。現実であったなら、またイーブイに会える。サトシ達にも会える。一緒に旅ができる。

ミズカは布団にゆっくり入ると、ポケモン世界での疲れがあったからか、深い眠りについた。


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