2章 ポケモン達を救え!?

「よし! イーブイ、スピードスター!」
「ブイブイ!!」

スピードスターはマタドガスに当たった。

「マ……タドガ……ス……」
「あぁ、マタドガス!!」

マタドガスは倒れた。コジロウが焦ったように、声を上げる。ミズカもイーブイも口角を上げた。

「さあて……、イーブイ! フルパワーでスピードスター!!」
「ブーイ! ブイ!!」
「これって……」
「ニャっぱし?」
「やな感じ~!!」

ロケット団は、イーブイのフルパワーのスピードスターに耐えられず、ポケモンセンターの屋根を突っ切って星になっていった。

「イーブイ。ありがとう!!」
「ブイ!」

ミズカが手を広げるとイーブイは嬉しそうに返事をしながら、彼女の胸に飛び込んだ。初バトルにして、初勝利である。

後ろからは拍手が起こる。ミズカはビックリして振り向くと、他のトレーナー達が笑顔で拍手していた。ミズカはそれを見て、ちょっと照れくさくなって少し顔を赤らめる。

「ありがとう。あなたとイーブイのおかげよ!」

ジョーイが話しかけてきた。

「いえ……、ただ必死だったんで……」

ミズカはイーブイの頭を撫でる。まだ照れていた。

「そうだ。お礼にすごいごちそうを用意するわ。後でお仲間さんと食堂に来てね!」

そう言って、ジョーイは仕事に戻っていった。

「ミズカ、イーブイ。サンキューな!」
「ピィカ!」

サトシとピカチュウにお礼を言われ、ミズカはにこりと頷いた。

「食堂行こうよ」

ミズカ達は、ジョーイに言われた通り食堂に行くことにした。

「なんか、指示出しただけなのに疲れた……」

ミズカはだら~んと席に座る。

「二匹相手に、バトルしたから、頭をかなり使ったんじゃない?」

カスミはそんなミズカに疲れた原因を言う。ミズカはそれを聞いて苦笑した。

「でも……、かなり運任せだったのよ? あれは……」

実際、ミズカはあんな上手くいくとは思ってなかった。そもそと自分は新人のポケモントレーナー。いくら、アニメでサトシ達のバトルを散々見ているとは言え、うまく指示出しできたのかはわからない。

イーブイがあれだけ素早さがあったのも、バトルのときに知ったことだった。

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