1章 ポケモン世界へ!?

気を失ってからどれだけの時間が経っただろうか。
ミズカは、ふと目を開いた。体がジンジン痛む。多分空から落ちたせいだろう。

――生きてる……?

あんな空から落ちて生きているのは奇跡だと思った。なぜ生きているのかはさっぱりわからないが、このまま眠れそうもないので体を起こすことにした。

「痛っー!」

声に出すつもりはなかったが、つい声に出てしまった。
どうやら想像以上に身体は悲鳴を上げているらしい。

起き上がって気づく。
ミズカの上に上着が乗っていた。

青がメインの半袖の上着。袖や襟は白く、ボタンが黄色い。あまり見ないような上着のデザインだった。

「あれ……? これどっかで見たことあるような……」

しかし、ミズカには見覚えがある。上着を掲げ、まじまじと見つめた。

「ん~、なんだっけ??」

気になって考えるが自分から答えは出てきそうにない。
しかし、この謎はあっさり解けた。

「気づいたか?」
「ピカピカ?」

ミズカは、助けてくれたであろう誰かに声をかけられた。
ミズカには上着と同じように、その声に聞き覚えがあった。
上着を掲げているからか、声をかけた人物をしっかり捉えられない。

上着を降ろして、顔を上げた。

目の前にいたのは、ポケットモンスターの主人公サトシ。その肩にはピカチュウがいた。

「なんで!!」

ミズカはビックリし過ぎて、体が痛いのも忘れ飛び上がった。それしか声にならなかった。

――なんで!! なんでサトシとピカチュウが……いるの!?

しかし、これで謎が解けた。まず、この青い上着である。これは、サトシがいつも着ているものだ。その彼は今は黒いTシャツ一枚。彼のものと言って、間違いない。

目の前にいるサトシとピカチュウがいる……。

ということは、自分はポケモンの世界に迷い込んだのだろうか。そんなことがあるのだろうか。

だが、心当たりはある。
あの眩しい光がその扉だったとしたら、可能性はあるのではないか。
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