19章 非公式のポケモンコンテスト

「……悔しいかも~!」
「まだ、そんな事言ってるのかい? 美しくないね」

ポケモンセンターのロビー……。コンテストを終えたハルカとシュウが言い合っていた。

サトシとマサトは言い合いを聞いていて、タケシは迷惑ながらも、ジョーイさんにアタック中だ。

「まあ、事実上ミズカが一番だったって事だね。ハルカ君は僕に負けたんだから」

どうやら、ハルカはムサリーナ扮するムサシを倒し、決勝に進んだらしい。しかし、決勝でシュウに負けてしまった。ようするに優勝はシュウだった。ハルカは悔しそうにシュウを睨みつけた。

「さて、僕は行くよ」

シュウは、その熱い視線をクルッと躱し、ハルカに背中を向けた。

「レベルを上げにね」

そう付け加え、ポケモンセンターを出て行った。

「ミズカに負けたのが悔しかったんだな」

黙ってたサトシが言った。マサトは隣で頷いている。

「そうかも……。それじゃ、ミズカの様子を見に行きましょ」

ハルカ達はそのまま部屋へ向かった。そっとドアを開けて入る。

「やっぱり、寝てるね」

小声でマサトが言う。先に帰ってきていたミズカは静かに寝息をたて眠っていた。エーフィはミズカについていた。ベッドの上で彼女を見守っている。

「病み上がりだもんな」
「かもかも」

病み上がりでよくコンテストになんか出たものだ。

「……う……ん?」

その声に気づいたのかミズカは目を覚ました。

「あ~、……もう朝~?」

寝ボケているらしい。しかし、次の瞬間、自分がボケたことに気づいたらしく、

「やば……」

と苦笑した。それがおかしくて三人は笑う。

「今……何時?」
「5時だよ」

マサトが答える。

「じゃあ、一時間半寝てたんだ」

ミズカはまだ眠いのか、欠伸をした。そして、そばにいてくれたエーフィの頭を撫でる。

「具合いは?」
「まあまあ。明日には絶好調になってると思うよ」
「だからって調子に乗ったら、またぶり返すよ」

マサトが顔をしかめながらミズカを見た。さっきまで青かったミズカの顔は血の気が戻っていた。

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