19章 非公式のポケモンコンテスト

「さて、気になる準決勝の相手は……」

ジョーイが話を進める。会場は一気に緊迫した空気になった。ミズカも真顔になる。

「一回戦目は、ミズカさん、シュウさんとのバトルです!」
「シュウと……。気を抜けないな」

サトシがミズカに話しかける。

「相手が誰だろうと気は抜けないって」

と、ミズカは伸びをすると、気合いを入れた表情で言った。

「でも、具合いが悪くなったらやめなきゃ駄目だよ?」

マサトに図星をつかれた。表情を崩して、苦笑する。どうやら、具合いが悪くなってもやるつもりだったらしい。

「じゃ、行って来る」

ミズカは、フィールドへ歩き、位置についた。

「それでは準決勝一回戦! 制限時間は5分です。はじめ!」

こうして準決勝は始まった。

「よし、エーフィ、頼んだわよ!」

ミズカが出したのはエーフィである。キルリアにしようかと思ったのだが、バトルは嫌だと嫌がられた。急に実践はまだ早かったとミズカも思い、エーフィに打診するとやる気満々だった。

ずっと病室だったため、動きたくて仕方がないようだ。こういうところは、ミズカに似てしまったのだと言える。

対するシュウはロゼリアだった。相性的にはミズカの方が有利である。

「よろしくね。シュウ」
「あぁ、よろしく。そちらから先行どうぞ」
「ありがとう。それじゃあエーフィ、電光石火!」

エーフィは頷き、物凄い勢いでロゼリアに攻撃を喰らわそうとした。

「ロゼリア、ジャンプして花びらの舞だ」
「ロゼッ」

しかし、ロゼリアは華麗にジャンプし、花びらの舞でエーフィを攻撃する。キレイなフォームで繰り出される技は、まさに芸術。ギャラリーも魅せられている様子だ。

「躱して、スピードスター!」
「フィ」

エーフィは素早く花びらの舞を躱すとスピードスターを花びらの舞に当て、ロゼリアに攻撃した。

「速いな……」

攻撃されたロゼリアを目にシュウは呟く。エーフィは速さが得意分野。それはそれで魅せられていることになっているらしく、ミズカはエーフィの速さに感謝した。
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