19章 非公式のポケモンコンテスト

「まぁ、基本だけどね」
「よろしくお願いします!!」

頭を下げるミズカ。シュウに教わる事にした。

「ミズカ、ちゃんとやってるかしら?」

ハルカは軽快な足取りである所へ向かう。向かう先は言うまでもない。ミズカ達のところだ。

「やったー!! キルリア、頑張ったー!」
「キル!」

ミズカ達のところに行くと、ミズカとキルリアがはしゃいでいた。やっと演技の技が決まったらしい。

ハルカはその近くにいる自分のライバルを見て、目をしばたたかせた。

「ありがとう、シュウ。サトシとマサトも付き合ってくれてありがとう」

ミズカは三人にペコペコ頭を下げる。

「僕とサトシは見ていただけだけどね」
「そうそう、シュウのおかげだよな」
「いや僕は基本しか教えて――」
「シュウ!?」

シュウが言い切る前にハルカが遮った。

「あれ、ハルカ? どうしたの?」
「どうしたのって……、なんでシュウがいるの?」

ミズカが質問したはずなのだが、逆に質問されてしまった。
シュウがいることにも驚きなのだが、ミズカ達と一緒であることで余計にハルカは驚いていた。

「え? たまたま、会ったの。なんかシュウも非公式コンテスト出るらしくて……。どうしたら良いかわからなかったのを助けてくれた!」
「シュウも出るの!?」

ミズカの言葉を聞き、ハルカは驚いた表情でシュウを見た。

「あぁ……、ハルカ君も出場するんだろう?」
「出るかも!」
「そうか……、それなら楽しみにしているよ」

シュウは軽く手を振り、ポケモンセンターへ戻って行く。

「シュウ、ありがとね!」

ミズカは歩いていくシュウを見て、慌てて、もう一度お礼を言う。シュウは軽く手をひらつかせると、そのまま歩いて行った。

「でさ、ハルカ。何しに来たの?」

ミズカはハルカに質問した。

「もちろん、ミズカの練習を見に来たのかも!」
「練習って……。シュウに会ってなきゃ、今頃、途方にくれてたって……」

ため息混じりにミズカは言う。別にハルカもミズカを放置するつもりはなかったらしい。おそらくはミズカが壊滅的にセンスがないことを知らなかったのだろう。

ハルカは、最初から教えるべきだったのかと、ミズカの言葉を聞いて苦笑した。
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