2章 ポケモン達を救え!?

「アーボック! 毒針よ!」
「シャー!」
「イーブイ! ジャンプして!」
「ブイ!」

イーブイは華麗なジャンプで毒針を避ける。うまく避けたのを確認して、ミズカはロケット団を指さした。

「そのまま正面に目掛けて、スピードスター!!」
「ブイブイ!」
「狙いが全然違うじゃない」

アーボックやマタドガスとはてんで違う方向に向けられた技に、ムサシは楽勝という顔をした。

「なんかスピードスター……、こっちに来てないか?」

しかし、コジロウが気づく。こっちに向かってくるスピードスター。スピードスターが必ず命中する技だと、当然知っている。顔が引きつる。

「え……!!」

ムサシは目を見開いた。ミズカが狙ったところは、ロケット団が持っているピカチュウを縛った縄と、モンスターボールが入った袋だった。

ミズカの狙いは見事だった。縄は切れて、袋は破けた。自由になったピカチュウは、走ってサトシのもとへ走ってくる。

「ニャー! あのジャンリンコ、ここを狙ったのにゃ!」
「なら、取り返すまでよ!! アーボック、もう一度毒針!」
「シャー!!」

バトルは勿論まだ続く。ムサシが技を指示してきた。ミズカもイーブイも気を緩めることなく、バトルに集中する。

「イーブイ、避けて! 電光石火!」
「ブイ!!」
「シャー!!」

イーブイの素早い切り返し。毒針をかわすと、電光石火でアーボックにぶつかる。

「よーし、とどめよ! スピードスター!」
「ブイブイ!」
「シャ……」

仕上げにスピードスターを食らって、アーボックは倒れた。

「戻れ、アーボック。こうなったらコジロウ、何とかしなさいよ!」
「おう! マタドガス! 体当たりだ!」
「マータドガース!」

ムサシに言われ、気を取り直したコジロウはマタドガスに指示を出す。今度はマタドガスを相手にする。

「イーブイ。こっちは電光石火よ!」
「ブイ」

イーブイとマタドガスはぶつかり合う。二匹とも、反動で吹っ飛ばされた。

「イーブイ!」
「マタドガス!」

イーブイは、ブルブルブルと身体を震わせる。まだ動けるみたいだった。マタドガスはイーブイよりも動きが鈍くなっている。

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