18章 チルタリスゲット! オニドリルの願い
「痛そうだな」
「痛そうじゃなくて痛いの!」
サトシの言葉にミズカはガーゼをあてた頬を押さえながらツッコミを入れた。突っ込まれたサトシは苦笑する。
「ところでミズカ、カスミに連絡はしないのか?」
タケシが聞いた。実はこの間連絡した時、カスミがすごくミズカの事を心配していたのだ。ちなみに、ミズカに電話させるように彼女は頼んでいた。
「もちろん!」
ということでミズカは、ハナダジムに電話した。
「はい、こちらハナダジム……ってミズカ? どうしたのよ、そのガーゼ……」
「あぁこれね。やられた」
動揺したカスミにサラッとそう答える。カスミは顔をしかめた。
「あんたまた無茶な事をしたの?!」
ミズカならありえないことではない。それにしてもサトシと比べて、だいぶ怪我が多いが。サトシと電話するときはピンピンしているから、いつ無茶をしているのかカスミにはてんでわからなかった。
「あぁ……、あいつ覚えてる?」
「誰よ」
「あたしのチコリータの前のトレーナーさん」
これまたサラッと答えた。
「まさか……」
カスミは言葉を詰まらせた。
「会ったのさっきね」
ミズカの言葉にカスミは引きつった表情をする。ミズカはさっきあった事を全て話した。
「へぇ~、ミズカ凄いじゃない!」
タツヒコが心を入れ替えた事を聞き、カスミは喜び、ミズカを褒めた。カスミだって、チコリータのときは大変だったのを覚えている。絶対にあのトレーナーとは相容れない。そう思っていた。そういう変に諦めない姿勢はサトシと被る。
「まあね!」
ミズカはニッと笑う。少し誇らしげである。
「でもあんた無茶をしたのには変わりないでしょ! 少しは反省しなさいよ!」
「な……、なんで反省しなきゃならないの!?」
確かに、ミズカは反省すべきだ。無理をしたことには違いない。しかし、ミズカは何故反省しなければならないのか全くわかっていない様子だった。
「オニドリルが攻撃してきたら軽い怪我じゃ済まなかったでしょ!」
「それはそれ! 何はどうあれ一件落着したの。それでいいじゃん!」
彼女の頭ではすでに終わったことだ。
「よくないわよ! 自分の体をもう少し大切にしたらどうなのよ!」
「わかったわかった。説教はもうやめにして」
「あんたわかってないでしょ」
ミズカにわかれと言う方が無駄だ。カスミは深くため息をついた。そんなカスミを見てミズカは首を傾げる。
「カスミ、あたし達出かけるからね。ジムの仕事しっかりしてよ」
カスミの後ろから声がする。カスミの姉、ボタンの声である。
「はいはい、わかったわよ。それじゃ、ミズカ。また今度ね!」
「うん、ジムの仕事頑張って!」
ミズカから電話を切った。
「痛そうじゃなくて痛いの!」
サトシの言葉にミズカはガーゼをあてた頬を押さえながらツッコミを入れた。突っ込まれたサトシは苦笑する。
「ところでミズカ、カスミに連絡はしないのか?」
タケシが聞いた。実はこの間連絡した時、カスミがすごくミズカの事を心配していたのだ。ちなみに、ミズカに電話させるように彼女は頼んでいた。
「もちろん!」
ということでミズカは、ハナダジムに電話した。
「はい、こちらハナダジム……ってミズカ? どうしたのよ、そのガーゼ……」
「あぁこれね。やられた」
動揺したカスミにサラッとそう答える。カスミは顔をしかめた。
「あんたまた無茶な事をしたの?!」
ミズカならありえないことではない。それにしてもサトシと比べて、だいぶ怪我が多いが。サトシと電話するときはピンピンしているから、いつ無茶をしているのかカスミにはてんでわからなかった。
「あぁ……、あいつ覚えてる?」
「誰よ」
「あたしのチコリータの前のトレーナーさん」
これまたサラッと答えた。
「まさか……」
カスミは言葉を詰まらせた。
「会ったのさっきね」
ミズカの言葉にカスミは引きつった表情をする。ミズカはさっきあった事を全て話した。
「へぇ~、ミズカ凄いじゃない!」
タツヒコが心を入れ替えた事を聞き、カスミは喜び、ミズカを褒めた。カスミだって、チコリータのときは大変だったのを覚えている。絶対にあのトレーナーとは相容れない。そう思っていた。そういう変に諦めない姿勢はサトシと被る。
「まあね!」
ミズカはニッと笑う。少し誇らしげである。
「でもあんた無茶をしたのには変わりないでしょ! 少しは反省しなさいよ!」
「な……、なんで反省しなきゃならないの!?」
確かに、ミズカは反省すべきだ。無理をしたことには違いない。しかし、ミズカは何故反省しなければならないのか全くわかっていない様子だった。
「オニドリルが攻撃してきたら軽い怪我じゃ済まなかったでしょ!」
「それはそれ! 何はどうあれ一件落着したの。それでいいじゃん!」
彼女の頭ではすでに終わったことだ。
「よくないわよ! 自分の体をもう少し大切にしたらどうなのよ!」
「わかったわかった。説教はもうやめにして」
「あんたわかってないでしょ」
ミズカにわかれと言う方が無駄だ。カスミは深くため息をついた。そんなカスミを見てミズカは首を傾げる。
「カスミ、あたし達出かけるからね。ジムの仕事しっかりしてよ」
カスミの後ろから声がする。カスミの姉、ボタンの声である。
「はいはい、わかったわよ。それじゃ、ミズカ。また今度ね!」
「うん、ジムの仕事頑張って!」
ミズカから電話を切った。