18章 チルタリスゲット! オニドリルの願い
「まだ、わかってないね! いい加減、トレーナーとしてどうあるべきか考え直しなよ!」
胸ぐらを掴まれてもミズカは怯まなかった。無論、最低トレーナーも頭に血が登り、ミズカの頬をグーで殴った。ミズカは体がよろけバランスを崩して尻餅をついた。
頬からは、血が流れた。ミズカは自分の血を手で拭う。自分の怪我なんて気にしない。
「女の子に手を出すなんて最低かも!」
ハルカは、そう言いながら尻餅をついたミズカの元へ駆け寄った。ミズカは怪我をさせられたにも関わらず、まるでヘルガーのような鋭い目つきで相手を睨み続けている。
「何が最低だ。そう仕向けて来たのはコイツだ!」
「いい加減にして!」
ミズカは、ふらりと立ち上がる。ハルカがまずいと思って止めようと思ったときには遅かった。ミズカは最低トレーナーの腹に一発蹴りを入れていた。相当な衝撃だったらしく、最低トレーナーはその場に倒れる。
仲間たちは騒然となる。まさかミズカがこんな事をするとは思っていなかった。ミズカは倒れた彼を見下ろしていた。
「いってぇ、てめぇ!」
「ふざけんな! オニドリルやチルタリス、チコリータはこれの何倍も何百倍も傷ついてんの! 時間が経って治るもんじゃない! 一生心に残るんだよ!」
あまりの迫力と圧に、最低トレーナーは黙ってしまった。お腹を抑えたまま、ミズカを睨みつける。
「あんたのせいで、チコリータは人が嫌いになったし、信じられなくなった。オニドリルは卑怯な手で相手を攻撃をする度に自分を責めてる。チルタリスだってそのうち、オニドリルやチコリータみたいになっちゃうでしょ!」
今度はミズカがぐいっと胸ぐらを掴んだ。相手にもう抵抗する気力はなさそうだった。
「人間に気持ちがあるようにポケモンにだって気持ちがあるの! お願いだから、もうこれ以上、彼らを傷つけないで! これ以上やるなら相手になってやる! ここからは関係ないポケモンは入れない。人間同士でね!!」
そう言った胸ぐらを掴んだ手は酷く震えていた。オニドリルのトレーナーの手には汗が握られている。
なぜ彼女はいつもこうやって自分に向かってくるのだろう。そもそも彼女はまったく関係のないトレーナーだ。それなのに、ポケモンを助けようと必死になる。今だって手が震えるくらいには怖いくせに。それが返って、気持ちが伝わってくる。
このトレーナーはなんなのだろうか。不意に、彼女の後ろに心配そうに眺めているオニドリルが目に入った。この女の言うことがあっているのなら、オニドリルはなぜここにいるのだろうか。逆にオニドリルから自分を捨てれば良いではないか。
ポケモンにだって気持ちがある?
だったら、オニドリルの気持ちはなんなのだろうか。
しばらく沈黙が続いた。ミズカは抵抗がないと確認すると、オニドリルのトレーナーの胸ぐらを解放した。
「タケシ、エーフィは大丈夫?」
エーフィを気にかけた。
「あぁ、眠ってる」
「ポケモンセンターはどれくらいで着く?」
「もうすぐだ」
「あのさ……、エーフィを頼みたいの」
これは長引く。だが、他のポケモンばかりに目を向けてはいられない。エーフィが危ない。だったら、やることは、サトシ達にエーフィを頼むことだ。彼らなら頼りになる。
サトシは驚いた表情をするが、エーフィの辛そうな表情を見ると、決心する。
「わかった。気をつけろよな」
タケシも頷きエーフィを抱えた。ハルカには残ってもらおうかと、タケシが話しかけに行こうとすると、オニドリルのトレーナーが口を開いた。
胸ぐらを掴まれてもミズカは怯まなかった。無論、最低トレーナーも頭に血が登り、ミズカの頬をグーで殴った。ミズカは体がよろけバランスを崩して尻餅をついた。
頬からは、血が流れた。ミズカは自分の血を手で拭う。自分の怪我なんて気にしない。
「女の子に手を出すなんて最低かも!」
ハルカは、そう言いながら尻餅をついたミズカの元へ駆け寄った。ミズカは怪我をさせられたにも関わらず、まるでヘルガーのような鋭い目つきで相手を睨み続けている。
「何が最低だ。そう仕向けて来たのはコイツだ!」
「いい加減にして!」
ミズカは、ふらりと立ち上がる。ハルカがまずいと思って止めようと思ったときには遅かった。ミズカは最低トレーナーの腹に一発蹴りを入れていた。相当な衝撃だったらしく、最低トレーナーはその場に倒れる。
仲間たちは騒然となる。まさかミズカがこんな事をするとは思っていなかった。ミズカは倒れた彼を見下ろしていた。
「いってぇ、てめぇ!」
「ふざけんな! オニドリルやチルタリス、チコリータはこれの何倍も何百倍も傷ついてんの! 時間が経って治るもんじゃない! 一生心に残るんだよ!」
あまりの迫力と圧に、最低トレーナーは黙ってしまった。お腹を抑えたまま、ミズカを睨みつける。
「あんたのせいで、チコリータは人が嫌いになったし、信じられなくなった。オニドリルは卑怯な手で相手を攻撃をする度に自分を責めてる。チルタリスだってそのうち、オニドリルやチコリータみたいになっちゃうでしょ!」
今度はミズカがぐいっと胸ぐらを掴んだ。相手にもう抵抗する気力はなさそうだった。
「人間に気持ちがあるようにポケモンにだって気持ちがあるの! お願いだから、もうこれ以上、彼らを傷つけないで! これ以上やるなら相手になってやる! ここからは関係ないポケモンは入れない。人間同士でね!!」
そう言った胸ぐらを掴んだ手は酷く震えていた。オニドリルのトレーナーの手には汗が握られている。
なぜ彼女はいつもこうやって自分に向かってくるのだろう。そもそも彼女はまったく関係のないトレーナーだ。それなのに、ポケモンを助けようと必死になる。今だって手が震えるくらいには怖いくせに。それが返って、気持ちが伝わってくる。
このトレーナーはなんなのだろうか。不意に、彼女の後ろに心配そうに眺めているオニドリルが目に入った。この女の言うことがあっているのなら、オニドリルはなぜここにいるのだろうか。逆にオニドリルから自分を捨てれば良いではないか。
ポケモンにだって気持ちがある?
だったら、オニドリルの気持ちはなんなのだろうか。
しばらく沈黙が続いた。ミズカは抵抗がないと確認すると、オニドリルのトレーナーの胸ぐらを解放した。
「タケシ、エーフィは大丈夫?」
エーフィを気にかけた。
「あぁ、眠ってる」
「ポケモンセンターはどれくらいで着く?」
「もうすぐだ」
「あのさ……、エーフィを頼みたいの」
これは長引く。だが、他のポケモンばかりに目を向けてはいられない。エーフィが危ない。だったら、やることは、サトシ達にエーフィを頼むことだ。彼らなら頼りになる。
サトシは驚いた表情をするが、エーフィの辛そうな表情を見ると、決心する。
「わかった。気をつけろよな」
タケシも頷きエーフィを抱えた。ハルカには残ってもらおうかと、タケシが話しかけに行こうとすると、オニドリルのトレーナーが口を開いた。