2章 ポケモン達を救え!?

「用が済んだから、さっさと逃げるにゃ!」
「ちょっと待った!」

ミズカは逃げようとするロケット団を呼び止める。背中から変な汗が流れてくるが、気にしないことにした。

「何よ! さっきのジャリンコじゃない!」
「出てきて! イーブイ!!」
「ブイ!」

イーブイは出てくると、すぐに状況を把握してくれた。ロケット団を睨みつけている。ロケット団はミズカが新人なのを知っている。ならば相手をして、イーブイも捕まえてやろうと思った。

サトシ達はミズカとイーブイを止めることも考えたが、では、誰が代わりにやるかと言われると、答えられない。カスミの腕の中にいるトゲピーくらいしか思い浮かばず、どうにもできそうになかった。

仕方なく三人はミズカとイーブイを見守る。

「面白いじゃない。行け、アーボック。遊んでおやり!」
「行けー! マタドガス!」
「シャーボック!」
「マータドガース!」

一対ニ。初めてのポケモンバトルで、これはとてもきつい。が、ピカチュウ達がロケット団に捕まってしまう方が、ミズカは嫌だった。

「アーボック! 巻きつく!」
「シャー!!」
「マタドガス! 体当たりだ!」
「マータドガース!」

早速、ロケット団はそれぞれに技の指示を出す。二匹はどんどんイーブイに近づいてきた。

「イーブイ。ジャンプして避けるのよ!」
「ブイ!!」

イーブイはジャンプする。アーボックにマタドガスはお互い顔を見合わせて止まってしまった。すかさず、ミズカは指示を出す。

「スピードスター!」
「ブイブイ!」

イーブイは宙に浮いたまま、スピードスターを放ち、二匹に命中させた。スピードスターは必ず命中する技だ。ミズカはそれをわかって指示した。地面につくと、アーボックが反撃しようとする。

「アーボック! 毒針!!」
「シャー!」
「電光石火でよけて!」
「ブイ!」

電光石火で毒針を避けるが、マタドガスが迫っていることに気づかなかった。

「体当たりだ!」
「マータドガース!」

マタドガスの体当たりはイーブイに当たり、ダメージとなる。

「イーブイ!?」

――まずい……。やっぱり狙うところ狙ったほうがいいよね……。

ミズカは学校の授業でもないくらい、頭をフル回転させていた。自分がやりたいことはポケモンバトルではない。ロケット団からポケモン達を取り戻すことだ。
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